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100人の子供たちが集合! 理想の学校を考えた「夏休みこども国会2023」【体験取材vol.5】

2023年8月31日 体験

待ちに待った夏休み! 海や山に出かけたり、おうちでゆっくりしたり、楽しみがいっぱいです。でも、長い夏休みを誰とどう過ごそうか、お悩みの方もきっと多いことでしょう。こどもスマイル大冒険では、親子が夏に楽しめるさまざまな取り組みを紹介しています。
今回取材班がやってきたのは国会議事堂! 7月24日に開催された「夏休みこども国会2023」です。会場となった衆議院第一議員会館には、全国から小学生4年生〜中学生3年生の子供たち100名が集まりました。(参加は無料です!)

衆議院第一議員会館で行われた「夏休みこども国会2023」の写真
衆議院第一議員会館で行われた「夏休みこども国会2023」

第3回を迎えた今回のテーマは「こども教育審議会」編。教育審議会とは、教育に関する重要施策を調査して、文部科学大臣に提言する大切な会議。子供たちが、そんな教育審議会に挑戦します。
毎日学校で勉強をしている子供たちが自ら、理想の学校と未来の学びについて考えました!

イベントの様子をレビュー!

朝9時、国会に集まった子供たちは、まず国会議事堂見学ツアーに出発。国会がどんなところか、国会がなんのためにあるのかを学びます。子供たちは、普段は入ることのできない国会議事堂の様子に目を輝かせつつ、日本を動かす政治の中心を肌で感じていました。
衆議院第一議員会館でおいしいお弁当を食べたら、いよいよ「こども教育審議会」の授業の開催です。ルールは3つ。1つ目は「否定をしない」こと。2つ目は「無理をしない」こと。3つ目は「話すとき、聞くときの心の動きを大事にする」こと。

こども教育審議会の3つのルールのスライドの写真
こども教育審議会の3つのルール

子供たちはグループに分かれて、理想の学校を作る方法を考えていきます。授業の1時間目は「材料をさがす」。慣れない環境で戸惑う子供たちをほぐすためのミニゲームが行われると、始めの緊張はどこへやら、会場中から元気な声が聞こえてきました!
子供たちが議論を進めるために、司会がいくつかの質問を投げかけます。例えば「学校ってなんのためにありますか?」。子供たちは我先にと手を挙げ、「勉強するため」「大人になる道へ繋がる」「いろんな仕事をやれるようにするため」「お金を稼ぐため」といった答えを返してくれました。

理想の学校をつくる授業の流れのスライドの写真
理想の学校をつくる授業の流れ

ここからグループごとの活動がスタート。まずテーブルの上にある付せん紙に「学校で好きなこと/もの」を書き込み、これを大きな紙のうえで「全員が『好き』」なものと「好きじゃない人もいる」ものに分けていきました。続けて「学校になくて、困っていること/もの」を同じように挙げていきます。これが、理想の学校を作る材料になります。ここで1時間目は終了。次の授業では理想の学校を考えていくことになります。

自分の“好き”をどんどん付せん紙に書き込む子供の写真
自分の“好き”をどんどん付せん紙に書き込みます
付せんを大きな紙に貼っている子供の写真
付せん紙を分けて大きな紙に貼っていきます
子供たちから質問攻めにあう文部科学省職員の写真
子供たちから質問攻めにあう文部科学省職員

【2時間目「全力で考える」】
始めに司会は大事なことをひとつ挙げます。それは「No one will be left behaind」。手を挙げた子は、その意味を「誰ひとり取り残さない」と答えてくれました。基本的にはチームで協力して考えますが、どうしても個人でやりたい人はひとりで考えてもOK。ただし、みんなが幸せになる学校であることが条件です。多様性を意識した授業に、令和の時代らしさを感じます。

キャッチコピー「誰ひとり取り残さない」が写ったスライドの写真
理想の学校は「誰ひとり取り残さない」を満たさなければなりません

子供たちは、先ほど作った材料、友だちとのお話、各テーブルにいるメンターや文部科学省の職員のアドバイスを受けながら理想の学校を考えていきます。考えることは3つ。ひとつ目は「わたしたちの学校が大切にする3つのこと」、ふたつ目は「オススメポイント」3点。そして3つ目が、その学校を卒業すると「どんな」子供になるかです。

さまざまな人と交流しながら考える子供の写真
友だち、メンター、文部科学省職員、さまざまな人と交流しながら考えます
アイデアを紙に書き出している子供の写真
理想の学校のアイデアもどんどん形になってきました

【3時間目「みんなに伝える」】
ついに発表の時間です。各テーブルでは、1チーム2分で理想の学校についてプレゼンテーションが行われました。そして最後に、代表として選ばれた2チームがステージに登壇し、みんなのまえで発表します。
ひとつ目の代表チーム「みんなのG」は、「うんどうしんけいgooD」な子供になる学校を提案。「体育館にトランポリン」「椅子はヨギボー」「給食は大戸屋・コンビニ・ガスト・サイゼリヤ・パンのどれか」という自由な発想を披露し、会場に笑顔を届けました。

代表チーム「みんなのG」の発表の様子の写真
会場に笑顔を届けた代表チーム「みんなのG」の発表

ふたつ目の代表チーム「3M」が提案したのは、「前向きで想像力が豊か」な子供になる学校。「休み時間がたくさん」「好きな授業を選べる!」「校庭に夢の国がある(生徒しか入れない)」という提案は、多くの子供たちに共感されました。

子供たちに参加した感想を聞いてみました!

最後に、「夏休みこども国会2023」に参加してくれたお子さんに感想を聞いてみましたので、ご紹介!
東京都武蔵野市から来たという12歳の女の子は、平和な小学校を目標とし、大切にすることとして「男女差別がない」「ものに困らない」「安心安全」という3つを挙げたそうです。そして「実際には無理だなって思うのもあるけど、将来はもっと自由な学校ができたらいいと思いました」と、参加した感想を語ってくれました。

取材報告

  • 国会議事堂を見学できる!
  • 全国の子供たちと交流しながら教育について学べる。
  • 夏休みの自由研究にも使えるかも?

「夏休みこども国会2023」は、子供同士で交流しながら、子供ならではの発想で教育について考えることができる、大人にもとても勉強になるイベントでした。もしかしたら、政治や教育に興味を持つきっかけにもなるかもしれません。次回開催時には、ぜひ、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか?

イベント概要

イベントの詳細情報

こども国会2023『教育審議会編』 〜未来の学びをかんがえよう〜
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