eラーニングでは、育業に関する制度の概要をわかりやすく説明。未受講者への案内を自動化するなど、こまめなアプローチを続けている管理本部 ダイバーシティ推進部黒嶋敦子さん 阿部希美さん業の理解促進や育業希望者への支援活動に取り組んできました。地道な支援活動の結果、2022年度には男性社員の育業取得率が73.9%まで上昇しています。 育業推進活動の初期の段階では、「育業に対する認知度の低さ」が課題でした。当社には工事現場に従事している社員も多く、なかには「育業を希望できる環境ではない」と諦めてしまう人もいました。しかし実際には、ひとつの施工現場が終わってから次の現場に配属されるまでに休暇取得を推奨していたり、繁忙期と閑散期があったりします。2022年10月からは育業を分割して取得できるようにもなり、こうした制度の認知を徐々に広げていくなかで、仕事と育児を両立できることを知ってもらえる機会も多くありました。 そこで、育業制度の理解促進のために具体的に取り組んだのが、「eラーニング」の実施と「両立支援ハンドブック」の配布です。当社が独自に設けている仕事と育児の「両立支援制度」では、出産時生後2週間までの間に5日間取得できる「配偶者出産時特別有給休暇」と、男女ともに14日間を限度として有給扱いとする特別措置があります。どちらも有給であるため、100%給料が支給されます。 eラーニングでは、オンライン上での30分の研修で両立支援制度の概要を説明します。当初は育業当事者になり得る若手社員にのみ受講を促していました。しかし、育業を希望するには上司の理解が不可欠であり、さらには職場全体の雰囲気づくりが重要だと実感し、現在は契約社員も含んだ全社員に対して毎年7月にeラーニングを受講してもら16企業データ企業データ (2023年3月時点)業種 従業員数(男女比) 2635名(5:1)育業取得率 取得平均日数 男性14日/女性1年建設業男性73.9%/女性100%育業推進企業の事例②従業員数約2,600名の建設会社である熊谷組は、「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれるなど先進的な取組を行っています。男性の育業取得率を8年で2.3%から73.9%にまで上げた育業支援策とは?地道な周知活動と体験談の活用で育業が身近に複数回に分けて育業の制度を社内に周知 熊谷組では、全社員に対して自分自身が望む人生を選択できるように、2015年からダイバーシティを目指した職場環境の実現に取り組んできました。その中でも特に力を入れてきたのが、男性育業の推進です。当時の熊谷組における男性社員の育業取得率は、わずか2.3%でした。具体的な施策を打ち始めたのは2018年。厚生労働省主催の育業に関する研修を受けた際に、男性新入社員の約8割が「将来的には育業を希望したい」と答えているアンケート結果を目にしました。男性社員にとって、育業への取組が、働きやすさや自分らしい人生を生きる上での重要な要素になる。この現状を深く受け止め、育株式会社熊谷組
元のページ ../index.html#17