育業応援ハンドブック
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人事総務本部 ダイバーシティ&エンゲージメント推進室矢野徳子さん男性育業推進に向けた取組。社外、社内、職場、当事者と、あらゆる方面に施策を展開している育業に関する社内アンケートをまとめた「ダイバーシティ白書」によって、男性育業にまつわる社員の本音が共有されたや周知だけでは足りないという事実でした。育児や家事など日本の慣習として女性が担ってきた役割を、男性にも分担していくことが不可欠だったのです。要するに、男性がもっと家庭へと目を向けられる仕組みづくりが、ダイバーシティ推進の近道になると。女性活躍の機会を増やすべく、こうして男性の育業参加を促していく方針が立ちました。 具体的な施策としては、お子さんが産まれる社員には、上司から育業に関する案内を積極的に発信し、産休前復職セミナーなど育業に関連したセミナーにも男性女性関わらず参加してもらっています。社内ポータルには「仕事と育児の両立」というサイトがあり、育業支援制度の詳細や手続き方法を網羅するだけでなく、育業に関する最新情報や現場の声なども掲載しています。 2019年には男性育業取得率100%宣言を打ち出し、さらにドライブをかけていきました。全社員に向けて育業に関連したアンケートを実施し、まとめたものを「ダイバーシティ白書」として配信しました。これにはかなり本音が詰め込まれています。例えば、育業したいと感じた男性社員のうち、実際に育業できたのは30%ほどしかいなかった、という調査結果は衝撃的でした。育業したいのにできない社員がいる現状を受けて、もっと育業に入りやすい雰囲気をつくっていかねばという気運が高まりましたね。このダイバーシティ白書では実際に育業に専念した男性社員と、その方の上司にもインタビューを行いました。このインタビューでは、育業を通して社員の価値観が変わり、仕事のや28ITサービス企業の日立システムズは、女性活躍の場を広げるダイバーシティ活動の一環で男性の育業推進に着手。全社一丸で育業を応援するようになるまでの経緯と体制づくりのポイントを聞きました。企業データ (2023年4月1日時点)業種 従業員数(男女比) 9998名(8350名/1648名)男性83%/女性100%育業取得率 取得平均日数 男性37日/女性1〜3年情報通信業育業推進企業の事例⑧本音が生まれる仕組みづくりで社内に育業が浸透育業の推進に向けて、多角的に情報を発信 当社が育業推進に力を入れるようになったルーツは、2012年末に発足した「ダイバーシティカウンシル」にあります。多様性の概念をより社内に定着させるため、各事業部から数名ずつメンバーを選出し20人ほどのチームを編成しました。当社としては女性の活躍支援を進めたかったので、カウンシルではまずそこに力を入れて取り組んできました。 2015年にはダイバーシティ推進センターという専門の部署ができます。現場の生の声に耳を傾けていくなかで見えてきたのは、女性が活躍するためには、支援制度の充実株式会社日立システムズ

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