育業応援ハンドブック
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3各部署で育業に関する2役員クラスが1ダイバーシティす。研修後には社長から直々に、男性のみなさんも育業を積極的にしてください、という旨の心強いコメントが寄せられました。育業を考えていた社員の背中を間違いなく押したでしょうし、これまで育業とは直接関係がなかった社員も、育業に対する捉え方を変えてくれたに違いありません。 さらに以上の経緯を踏まえつつ、3年ぶりに男性育業をテーマにしたHuman*ITミーティングを実施しました。研修での社長の言葉もあって、各部署がより前向きに、男性育業を応援する話し合いができたと実感しています。空気が一気に変わりましたね。男女関係なく、当たり前のように育業に入ってもらう意識が形成されていっています。 育業支援の制度だけつくって、一方的に告知して、建前だけで終わるようなことは決してしたくありませんでした。育業当事者だけでなく、周りの社員も巻き込んでいく施策が男性育業推進と女性の活躍につながると感じたからこその、役員研修やミーティングの開催でした。こうして改めて振り返ってみると、これら本音で話し合ってもらう機会を頻繁に設けることが、育業を浸透させる最大のポイントだったと思います。専門チームの編成当事者に寄り添った現場の声を発信育業研修を受講トップからのメッセージが広がるミーティング実施当事者以外も育業を考えるきっかけにHuman*ITミーティング資料。深い議論につながるよう、男性育業に関する背景や実態、取組などがまとめられているりくりがうまくなり残業が減ってきた、という現場の声を引き出せました。育業は社員の家族だけでなく会社にもメリットをもたらしてくれるとわかり、育業推進のアピール材料となりました。立場を超えた本音が、育業を後押ししていく 当社では「Human*ITミーティング」という、ある決まったテーマについて各部署で話し合う会議を月1回開催しています。そこで男性育業をテーマに話し合ってもらったのも2019年のことでした。部署ごとそれぞれの状況を踏まえつつ、現場視点でかなり腹を割った話し合いが繰り広げられていました。私もいくつかミーティングの場に臨んだのですが、部下が何日も不在になってしまうと仕事が回らなくなり厳しいと、男性の育業に難色を示す上司の方もいました。その際にこちらから伝えたのは、育業は職場にとって万が一の訓練にもなる点でした。社員が病気や介護などを理由に、長期離脱を余儀なくされる日はいつきてもおかしくはありません。そのためのリスクヘッジを普段から徹底すべきで、育業はその練習になるわけです。こういった納得してもらえる説明を心がけて、育業への理解を浸透させていきました。 2022年には、育児・介護休業法の改正にあわせて大々的に男性育業の推進活動を行いました。外部のコンサルタントを招いて、役員に育業に関する研修を受けてもらったのです。この研修の模様を社員に配信しました。役員も勉強しているのだから、自分たちももっと育業について考えていかねば、という前向きな意識改革を促すことが狙いで育業について話し合ったことで、介護や学習など、社員のさまざまな“ライフ”を応援できる空気が生まれたという29課題解決のポイント当事者意識を高める情報発信を徹底

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