育業応援ハンドブック
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「きらり!通信」を通じて、育業に関するアンケート結果や施策の成果、当事者インタビューなどの情報を配信。施策の過程や結果も共有することが、社員の関心を高めることにつながっている人事部佐藤範子さん 佐藤由美さん馬場由起子さんミヨシ油脂提供佐藤(由) また、ミヨシ油脂には製造、研究開発、営業、管理などの職種があり、それぞれ勤務体系や職場環境が異なっています。そうしたなかで、人事部のみが包括的に施策を展開することには限界があります。そこで、各職場からメンバーを募る委員会「社員活躍推進委員会きらり!」を運営し、職場ごとのリアルな実情や課題を集めるとともに、委員会のメンバー自らがダイバーシティ推進を企画・実施する、社員参加型の活動も行っています。委員会は人事部が事務局となり、参加するメンバーは1年ごとに交替。メンバーとなった社員の上司についても、「サポート上司」という役割を担って委員会を支援する立場となります。このように委員会に関わる人員を流動的にすることにより、ダイバーシティ推進を経験した社員が毎年増えています。馬場 ミヨシ油脂の育業については、女性社員は育業取得率も復帰率も100%を達成していたのですが、男性社員は収入面の不安や前例がないこともあって、積極的に育業に踏み出せないという実情がありました。しかしながら、子育てにしっかりと参画したいと考えている男性社員が増えていますし、実際に育業を行いたいという声も届いていました。そこで、人事部としては子どもが生まれる社員とその上司に対して、個別に育業や社内制度について説明する場を設けるとともに、2020年4月からは、育業の最初の5日間を有給休暇とする制度改定を実施しました。佐藤(範) 委員会としては、社員の育業への興味を高めることを狙って、育業経験者やその上司にインタビューした記事や動画などを配信し、社員の生の声や好事例を社内30企業データ(2022年12月末時点)業種 従業員数(男女比) 559名(428名/131名)男性80%/女性100%育業取得率 取得平均日数 男性17日/女性1年製造業(食品)育業推進企業の事例⑨油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業を目指しているミヨシ油脂株式会社。当事者のみならず、周囲の社員にも安心を届ける丁寧な育業施策についてお話を聞きました。社員を巻き込んだ育業支援に向けてアンケートを活用人事部と委員会とが連携し職場の声を社内に広める佐藤(由) 1921年創立のミヨシ油脂は、業務用を中心にマーガリンをはじめとする食用加工油脂や脂肪酸などの工業用油脂を扱うメーカーです。経営理念である「人によし、社会によし、未来によし。」にもとづき、ダイバーシティを推進しています。佐藤(範) 人事部では、労働環境に関わる制度設計やその運営、役員や幹部職を対象としたセミナー、一般社員向けのセミナーなどを定期的に開催することで、育業、女性活躍、仕事と介護の両立、LGBTQの理解促進などに取り組んでいます。これによって、すべての社員が安心して働くことのできる環境づくりを続けています。ミヨシ油脂株式会社

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