No.1 どんな人でも、どんな状況でも、選択肢を持てる強い組織
私が産前休業に入るとき、同時期に妊娠している女性は私の他に3名。パートナーが妊娠中の男性も2名いました。
20人ほどの組織をまとめる当時のボスは全体会議の場でこう言いました。
『誰もがさまざまな理由で仕事を中断する可能性がある。
それは当たり前のことで、誰もがもつ当然の権利。
どのメンバーも安心して自分の人生に選択肢を持ってください。
誰がいつ休んでも大丈夫だと言える強い組織を作ることが、組織長としての私の仕事です。』
同時期に長期的な休みに入る方が多くいる中で、それぞれが不安を抱えていました。
それは育業に入る人も、迷っている人も、そして仕事を続けていくメンバーも同じです。
育業以外にも体調不良や家族の介護、さまざまな理由で仕事を休む方がいます。
誰かがいないと回らない職場ではなく、誰もが安心して自分の人生を大事にできる職場がある。
大事にしてくれる上司やメンバーがいると思うだけで安心して育業に入ることができました。
私はこの安心感こそが『強い組織』の正体の一つだと思います。
こんな職場で働けることに幸せを感じるとともに、こういった組織・職場・上司がこの社会に増えていくことを願っています。
そして未来の誰かが育業やそれ以外の理由で仕事を中断する時には、強い組織の一員として全力で助け合っていきたいと思います。
No.2 会社全体が育業浸透に対して本気で取り組んでいることを実感
妻の出産の数か月前にプロジェクトのマネージャーになり「着任したばかりで休むなんて、上司からの心象が悪くなるのでは」と育業を非常に悩みながらも部長に相談。すると、「私も育業については理解が浅かったんだが、先日社内研修で育業の大切さを学んできたんだよ。育児はどんなプロジェクトよりも大変で偉大な事だと今は思っています。プロジェクトの事は一旦任せてもらって、育児という大事な任務を遂行してきてください。」と2か月育業することになりました。上層部の意識も変える、有意義な研修を行っている会社の一員であることを誇りに思いました。
No.3 育業のバトンを後輩につなぐために
人手不足に悩む部署で働いているので、育業はできないものと思いつつ、上司へパートナーの妊娠を報告。すると上司からは予想しなかった言葉が。「業務都合は考えず、まずは育業する前提でご家族と育業期間を相談してみて。僕の時代は取れなかったが、君が率先して育業することで後輩が続きやすくなるから。」と制度取得の背中を押してくれました。
No.4 育業と同時に昇進
私がボスに「妻が妊娠しまして、育業しようと思います。」と伝えたところ、「なんだそんなことか。遠慮なく取りなよ。」と言っていただけて一安心。
でも昇進は暫くお預けになるかな…と思っていたが。
出産予定日の1か月前、昇進のことを伝えられた。
私は「来月から育業いただきますが…よろしいのでしょうか?」と半ば諦めていた昇進の話に驚きつつも尋ねました。
するとボスからは、「これから会社の屋台骨背負ってやって行ってくれるんだから、育業なんて関係ないよ。これからもよろしく頼む。」と言っていただけました。
おかげで育業と同時に昇進、育業明けには出産のお祝いと昇進のお祝いをしていただきました!
No.5 御礼を言いたいのはこちらのほうです
職場で十数年ぶりに産休・育業に入ることになりました。上司に、妊娠報告と共に「ご迷惑をお掛けすると思います。すみません」と言ったら、「会社を辞めずに育業という選択をとってくれてありがとう。ちなみに、育業前も復帰後も、いくらでもあなたが思う“迷惑”はかけてくれて結構です。うまくやろうね」と言われました。
安心して育業して大丈夫だ、という気持ちにしてもらえてほっとした上に、職場にとって私はそれなりに必要とされていたのかもしれない、そして復帰後もきっと大丈夫と思わせてもらえた言葉でした。すごく嬉しかったです。
No.6 育業は成長のチャンス!上司のひと言が変えた私の人生
2年前、第一子出産前、私は育業に対して不安を感じていました。キャリアの中断、復職後の対応、家族と仕事のバランスなど、多くの悩みで頭がいっぱいでした。そんな時、私の上司が声をかけてくれました。
「育業は君の人生にとって大切な経験だよ。決してキャリアの障害ではなく、むしろ成長のチャンスだ。子供との時間は貴重で、その経験が君をさらに強くする。戻ってくる時、今まで以上に素晴らしい仕事をしてくれると確信しているよ。」
この言葉は私の心に深く響きました。育業することに対して前向きになり、不安が和らぎました。そして、産後、育業中の時間を家族とともに大切に過ごすことができました。復職後、私は新たな視点とエネルギーを持って仕事に取り組むことができ、上司の言葉が現実となったことを実感しました。
この経験を通して、育業はキャリアのブレーキではなく、むしろ大きな加速装置になり得るのだと気付きました。上司の励ましの言葉は、私にとって何よりの支えとなり、感謝の気持ちでいっぱいです。
No.7 育業だからこその成長がある
産休、育業に入ることを上司に報告した際に、仕事から離れる不安を吐露したところ、「育児をすると、視野が広がる。たとえば、自分の場合は、多様性の理解がより進んだり、若手の教育に活かせる学びがあった。それらは育児を当事者として取り組んだからこそ得られた学びで、人としての大きな成長だと思う。だから、存分に育児に全力投球することをおすすめするよ。復帰のときに話を聞けるのを楽しみにしてるね」と話してくれました。
育業を休暇として捉えるのではなく、成長のための学びの機会として前向きに捉えることができました。
No.8 長期間の育業を促してくれた私の上司のひと言
育業を1か月間したいと上司に相談したところ、「1か月で足りるの?育児に本気で関わるなら、もう少し長期間取った方が良い。」との返答が。 当初は同じ部署のメンバーに迷惑をかけてしまうのではないか、マイナス評価になってしまうのではないかと不安だったので、もっと長期間育業した方が良いという上司の返答は、良い意味で予想外でした。上司が、私の家族や人生のことを第一に考えて、育業を後押しする一言を投げかけてくれたことが嬉しかったです。 上司のその一言に背中を押され、結果、私は3か月間育業しました。 初めての育児は想像以上にハードで、3か月間の育業でも足りないくらいでした。大変な育児の中でも我が子は本当に愛おしく、育業中は育児の苦労を妻と分かち合いながら夫婦で一緒に成長していることを実感できました。 この大変だけど濃密で幸せな3か月間は一生忘れないと思います。こうした環境を与えてくれた上司の一言や、快く育業に送り出してくれた職場の仲間に感謝でいっぱいです。
No.9 育業しなよ!
僕の部署は、誰も育業したことがありませんでした。そのため、妻には、「育業するわけないじゃん」と話していました。しかし、上司が、突然、「おい、〇〇氏〜、子どももうすぐだよな。育業しなよ〜!」とフランクに話をしてくれました。あまりにもフランクだったので、「え!いいんすか!」とこちらもフランクに答えることができ、そのまま手続きを進めていく流れに。
トップバッターなので、手探り状態でしたが、みんなのフォローのおかげで無事育業できることに。
自分が育業していなくても育業しなよと部下に言える上司がかっこよくて尊敬しました。
育児は思いの外、想像を遥かに超えて大変でした。産後妻は本当に心身ボロボロになっていたので、妻も子どもも僕が支えることができて上司には頭が上がりません。僕がいなかったら妻は倒れていたと思います。僕自身も育業は大変だったけど妻も子供も僕を頼りにしてくれて、成長を見ることができて、毎日が充実していました。
僕も部下には積極的に育業してもらおうと決めています。
No.10 仕事に熱中する役員の私に代表がくれた言葉「家族より大事な仕事はない」
数年前、長男が生まれたあとも取締役という役職への責任感から、育業をしぶっていた私。何度か代表から「育業しないの?」と声をかけてもらっていたものの、変わらず仕事に熱中する日々を送っていました。そんなある日、見かねた代表から「僕からの指示だと言ったら育業できる?」と冗談交じりに声をかけられました。加えて「”家族より大事な仕事はない”ということを、メンバーに伝えてほしい」と。私は取締役だからこそ、育業すべきなのだと気付かされたひと言でした。
最近、幹部会議である男性幹部から「パートナーが妊娠したので、生まれたら育業したい」と申し出があり、満場一致で拍手がおきました。あの時、育業して本当によかったと思いました。