中堅不動産デベロッパー「隼(はやぶさ)都市開発」に勤める田村雄二(35)は、会社の大型入札コンペのリーダーを任され、多忙な日々を送っている。プライベートでも、第2子が誕生し、せわしない。出版社の編集部に勤める妻のちひろ(33)は育業中だが、大学の恩師である三枝道子(65)が初めて書いた小説の出版イベントが控えている。雄二はちひろのためにも出版イベントの時期に育業を交替したいが、いまだ会社に言い出せない。
そんな中、会社の方針で雄二はついに育業をすることになる。コンペのリーダーが抜けることに同僚たちは戸惑いつつも、新しくチーム編成が組まれ、雄二は晴れて送り出されることに。
雄二の育業がスタート。育児なんてと高を括っていたが、育児に家事にてんやわんや。長男の正希(5)はママがいない上に、パパが弟の大希(0)優先なのが面白くない。
ある日、通知が鳴りやまない会社携帯を見てしまった雄二は、トラブルを知り、任せていた仕事に徐々に介入していく。やがて育業中にも関わらず、取引先にも連絡を入れ、仕事に邁進するようになる。そんな中、正希を頭ごなしに叱ってしまい、長男との関係がギクシャクしていく。
ちひろの出版イベントの日。正希を保育園に送った後、大希の定期検診先で、携帯の充電が切れていることに気付いた雄二。急いで帰宅する道中、偶然部下の永山(28)たちに出くわし、別案でコンペ準備が進んでいることを知る。「ここで妥協したらコンペに負ける」と別案を否定する雄二だが、中途半端な介入に不満を持っていた永山から「妥協はしていない!」と拒絶されてしまう。意気消沈して家に帰った雄二の携帯には、正希の保育園から緊急電話の着信が並んでいた…。