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東京都

こどもスマイルムーブメントアンバサダー
野口聡一さんによる特別授業を実施

東京都では、「チルドレンファースト」の社会の実現に向けて、子供を大切にする気運を一層高めるため、企業・NPO・学校・区市町村など幅広い主体と連携しながら、官民が一体となって、子供の笑顔につながる様々なアクションを展開する「こどもスマイルムーブメント」を推進しています。

2025年12月24日(水)、この取組の一環として、「こどもスマイルムーブメント」アンバサダーである宇宙飛行士の野口聡一さんによる特別授業が、東京都立駒場高等学校で行われました。野口さんが宇宙飛行士への夢を抱くようになったのは、高校1年生の時のこと。当時のご自身と同じ年代である1年生・2年生に向けて、宇宙飛行士になるまでの道のりや、そこで得た経験について語りました。

野口聡一さんと数人の生徒が並んでいる様子

野口さんが宇宙飛行士を志すきっかけとなったのは、1981年のアメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「コロンビア」初打ち上げでした。高校卒業後は、大学の工学部航空学科に進学。その後企業で研鑽を積み、宇宙開発事業団の宇宙飛行士選抜に合格して渡米し、今では、宇宙飛行士として2つのギネス世界記録にも認定されている野口さんですが、NASAでの訓練開始当初は、周囲との差に劣等感を抱いていたことを打ち明けます。そんな野口さんの心を支えていたのは、先輩の宇宙飛行士から贈られた「大きな目標を実現するための考え方」でした。悩んでいた野口さんに先輩が『How do you eat big elephant?』と聞いてきたそうです。先輩は象を目標に例えて、「大きな目標については、まずは今日できることまで細分化し、一歩ずつ着実にこなしていくこと。そして、最終的なゴールの達成の為には別のことは行わない、目は離さないこと」が大事だと教えてくれたとのこと。この考え方でみなさんも、大きな夢にも挑戦してほしいと生徒たちに語りました。

野口聡一さんが講演を行う様子

また、NASA流のチームワークとして、「Know your job, Do your job, and Communicate(自分の仕事を理解・実行し、周囲と共有すること)」「Keep the big picture(目の前のことだけでなく、常に全体像を意識すること)」「Don’t hide your mistakes(失敗を隠さず、早期に共有してチームで克服すること)」の3点を紹介。今後の進路先においても役立つであろうその言葉に、生徒たちは大きく頷いていました。

在校生との質疑応答では、「挑戦が苦手」という生徒から「新しいことに挑戦するとき、どんな気持ちで最初の一歩を踏み出していますか?」という質問がありました。質問に対し野口さんは「大人は応援の気持ちで“挑戦しよう“と言うけど、高校生にとってはその言葉が重く聞こえることがあります。でも実際は、みんな毎日ちゃんと成長していて、日々の活動そのものが挑戦と言えます。だからプレッシャーに感じる必要はなく、昨日より今日はよくなっていて、明日の自分は今の自分よりちょっといい方向に転がっているくらいに捉えてもらえたらと思います」と答えていました。隣の人と話す・読んだことのない本を読むといった小さな行動でも、それが大きな前進につながっていくとエールを送りました。

野口聡一さんが話をする様子
野口聡一さんが壇上で生徒に向き合う様子

宇宙飛行士になりたいと思った高校生の時には、「宇宙飛行士になる」というキャリアパスがまだ日本になかったという野口さん。特別授業では、高校生の時に抱いていた夢を実現させた野口さんならではの確信ある言葉が次々と語られました。「劣等感に苦しむ時期があるかもしれないが、それは成長している証」「失敗から早く学び、夢に向かってステップアップしていく」という力強い励ましに、生徒たちは真剣な面持ちで聞き入り、自らの未来に思いを馳せていました。

野口聡一さんと、特別授業に参加した生徒たちの集合写真
集まった生徒、約700名と記念撮影