こどもスマイルムーブメントアンバサダー
伊集院光さん、尾木直樹さんによる特別授業を実施
東京都では、「チルドレンファースト」の社会の実現に向けて、子供を大切にする気運を一層高めるため、企業・NPO・学校・区市町村など幅広い主体と連携しながら、官民が一体となって、子供の笑顔につながる様々なアクションを展開する「こどもスマイルムーブメント」を推進しています。
2026年1月27日(火)、この取組の一環として、「こどもスマイルムーブメント」アンバサダーである伊集院光さんと、尾木直樹さんによる特別授業が、足立区立第十三中学校で行われました。テーマは「本が心を育てる」。伊集院さん、尾木さんそれぞれが絵本を朗読し、あたたかな時間が流れる授業となりました。
伊集院さんが選んだのは、『の(junaida作)』という絵本。名詞同士をつなぐ「の」という言葉で、どんどんお話がつながっていく不思議な本です。「テストの国語はちゃんとお話が繋がっていないといけないけれど、この本は絵本や物語の魅力はそれだけじゃないことを大人になって思い出させてくれた」と、答えのない自由なこの本の魅力を語りました。
尾木さんは、上半身が隠れてしまうほど大きなサイズの絵本『てぶくろ』を紹介しました。小さな手袋の中に、たくさんの動物たちが次々と入っていくウクライナ民話です。「今は大変な状況にあるウクライナを応援したいという気持ちで選びました。でも、ちょっと不思議な終わり方をするのでわかりづらく感じたかもしれませんね」という尾木さんに、伊集院さんは「わからないという気持ちは大切。大人になってから、ふと答えが見つかることもあります」と、読書の深い楽しみ方を伝えました。
今の時代、AIやフェイクニュースなど「どれが本当かわからない情報」が溢れています。そんな中で尾木さんが強調したのは、「本は裏切らない」ということ。「本は真正面から信じていい、信頼できる相手。だからたくさん読んでほしい」という力強いメッセージを送りました。
伊集院さんも「本にはつい読みふけってしまう魅力がある。今の自分と昔の自分、あるいは全然違う場所に住む誰かとつながれる素敵なツールですよね」と、本への愛を語りました。
特別授業の後半は、生徒が心に残った本について紹介。『クジラがしんだら』『栄光のバックホーム』『よだかの星』『1500日震災からの日々』といった本が挙がりました。「命が終わることで別の命が始まるという、不思議なつながりに感動した」「同じ野球好きとして、心が熱くなるシーンがあった」「いじめや差別をテーマにしたものでよむべき本」「陸前高田の記録から、強く生きたいと思った」など、中学生ならではの等身大の実感がこもった感想を発表しました。
発表を聞いて尾木さんは、「みなさん、本の内容をしっかりと自分のものにしていて素晴らしい」と、自分の考えをまとめて発表した生徒たちを讃えました。伊集院さんは、『栄光のバックホーム』を最近読んだばかりだったそうで、「58歳の僕と中学生が、同じところで感動できる。本にはそんなすごい力があるんだよね」と、世代を超えたつながりに目を輝かせていました。
授業の最後には、生徒代表から2人へ感謝の言葉が贈られました。それを受けて伊集院さんは「実は僕、小学校から高校まで、学校を休みがちだったんです。学校でお礼を言われたり、感謝される日がやってくるとは思っていなかったので、とても嬉しい。みなさんが紹介してくれた本、絶対に読みます。こちらこそありがとうございました」と生徒たちと約束。
一方、尾木さんは、来年80歳になることを明かし、「中学生のみなさんは『希望の塊』。そんな若いみなさんと一緒に仕事をしているから、希望をもらえて若くいられるんだと思います。みなさんと一緒に希望を持つとガンガン元気になっていくのよ」と、子供たちが持つパワーの素晴らしさを語りました。
伊集院さん、尾木さんが、本を通じて心が育つことを伝えた今回の特別授業。本の読み方・捉え方は決してひとつだけではないこと、世代が異なる人々をつなぐ大切なツールであることに、生徒たちは改めて本の魅力を再確認できたようでした。