掲載日:2023年5月31日
野村ホールディングス株式会社
起業とイノベーションの学びを次世代へ!
社会を変える新しい価値創造の起点となる取組に迫る
野村ホールディングス株式会社は、子供向けの金融経済教育として、出張授業や教材などの教育プログラムを約20年前から提供しています。その中でも今回は、中高生向けの出張授業で提供されている起業家教育プログラム「Nomuraビジネス・チャレンジ」に焦点を当て、取組内容などについて、実際に講師を担当されている社員の皆様にお話を伺いました。
子供たちの新しいものを生み出す力を育むことを目的に、起業家教育プログラムを提供
―現在実施している子供向けの取組はどのような内容でしょうか。
ファイナンシャル・ウェルビーイング室 佐藤由紀さん(以下、佐藤):弊社では子供の成長を応援する取組として、起業やイノベーションの大切さを伝える「Nomuraビジネス・チャレンジ」という中高生向けの起業家教育プログラムを提供しています。
50分×2コマのプログラムで、1コマ目は、社会に大きな変化をもたらしたイノベーション事例と、現在活躍する2人の若手起業家のインタビュー映像を見てもらい、子供たちに「イノベーションとは何か」、「起業とは何か」を考えてもらった上で、イノベーションが生まれるプロセスを解説します。
2コマ目では、「イノベーション・ワークショップ」というグループワークを実施します。身近にある学校や社会における問題をテーマに子供たちに課題を洗い出してもらい、その中で最も取り組みたい課題をグループで決め、解決するための商品やサービスを考えてプレゼンします。
―プレゼンでは、聞く側は投資家になったつもりで他のグループのプレゼンを聞き、自分が投資したいと感じたものに1枚100万円に見立てたシールを貼っていきます。ビジネスを考えるだけでなく、投資家の立場にもなるのですね!
佐藤:はい。起業家の「ビジネスを考える」視点だけでなく、他のグループのプレゼンを聞いて投資判断をするという投資家として「ビジネスを応援する」視点も、どちらも体験してもらうことができることで、より深い学びにつながると考えています。
「証券会社として社会に貢献できることは何か」を考え、本取組が生まれた
―子供向けの取組を始めた背景、理由、きっかけについてお伺いさせてください。
佐藤::「証券会社として、本業を通じてできる社会貢献活動とは何か」を考える中で、金融・経済教育が持ち上がったのがきっかけです。子供の頃から金融経済について学ぶことが、子供たち、そして社会にとって必要なことだと考えました。
取組の開始当初は、為替や株式、投資に関する中学生向けの学習教材の提供からスタートしたのですが、学校と連携を深める中で「探究学習の実施方法を模索している」という学校現場のニーズを知り、出張授業を追加するとともに、徐々に学習内容や対象学年を広げてきました。その中で、起業とイノベーションの学びに特化した「Nomuraビジネス・チャレンジ」が生まれました。
どこにいても社会に対してイノベーションを起こすことはできる
―そういった経緯があったのですね!「Nomuraビジネス・チャレンジ」の特徴やアピールポイントはどのような点がありますか。
佐藤:ただ座学で知識を吸収するだけでなく、正解がない問いに対して、周囲の人と協力しながら自分たちで考えて、自分たちなりの一つの答えを導き出すという問題解決型学習(Project Based Learning)の経験を積むことができる点です。子供たちがこれからの時代を生きる上で、そして日本を元気にする上で、大切な経験であると感じています。
―取組を進めていく中で、大切にされていることや重視されていることはありますか。
佐藤:子供たちには、「起業しなさいということではなく、どのような場所にいたとしても、自分が社会に対してイノベーションを起こしていくことはできる。自分で起業しなくとも、新しい価値を生み出していくことがこれからの社会では求められており、そのような力をつけることが大切だ」ということを伝えています。
「起業したいけれど、どうしたらいいか?」という質問も
―実際に取組に参加した子供や学校の先生方から、どのような感想や意見が寄せられていますか。
ファイナンシャル・ウェルビーイング室 柏崎洋平さん(以下、柏崎):子供たちから、「新しいサービスや商品を考えることは、ハードルの高いことだと思っていたけれど、入口は意外と身近なところにあるということが分かった」「起業に全く興味がなかったけれど、授業を受けてとても興味が湧いた」といった嬉しい声が届いています。
ファイナンシャル・ウェルビーイング室 酒井賢一さん(以下、酒井):「起業したいけれど、どうしたらいいか?」という質問を受けることもありますが、そのときは、「すべてを自分一人でやるのは大変なので、自分の得意分野を磨きながら、自分にない能力を持った仲間を見つけて、協力しながらやっていくことが大切だ」と伝えています。
佐藤:先生方からは、「普段のグループワークではあまり積極的に話さない子が、前のめりになって楽しそうに話していたのが印象的だった」という声や、「このプログラムを通して、探究学習の進め方を学ぶことができた。普段の学習にも活かしていきたい」という声をいただいています。
―取組を実施する前と後で、社員に変化や気づきはありましたか。
酒井:社員からは、「取組を通して会社が地域に貢献していることを知り、会社へのエンゲージメントが高まった」、「学校へ行って教えることによって、自分の仕事により誇りを持てるようになった」といった声を耳にします。社員にとっても好影響が出ているように感じていますね。
より子供たちのためになる教材・プログラムを作っていきたい
―今後の展望やビジョンをお伺いさせていただけますか。
酒井:学校の探究学習に本プログラムを積極的に取り入れていただけるよう、学校との連携を進めていきたいです。また、現在使っている教材を最新化し、より時代にあったコンテンツに作り込んでいきたいと考えています。
柏崎:コンテンツのアップデートに加えて、教材のデジタル化や新たなデバイスの導入、さらには他業種との協業なども視野に入れて検討を進めています。
お金やビジネスのことを知って人生の選択肢を広げてほしい
―取組の進化が楽しみです!最後に、子供たちや、ほかの企業・団体のみなさまへのメッセージをお願いいたします。
佐藤:金融のことやビジネスのことを知ると、視野が広がり、普段見ているニュースや出来事が、違った見え方をしてきます。そうした視点を持っていることで、人生における意思決定をする際に、子供たち一人ひとりの選択肢がより広がると思っています。子供たちには、自分の「できること」から選択するのではなく、自分が「やりたいこと」を選択できるよう、成長していってほしいと願っています。
柏崎:企業・団体様には、「様々な業種・業界の方々とコラボレーションできたら嬉しいです。子供たちの生き生きとした成長を応援できるような取組を、共に広げていきましょう」とお伝えしたいです。
―素敵なメッセージをいただき、ありがとうございました!
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