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掲載日:2022年3月1日

株式会社セイバン

ランドセルと子供向けWEBメディアをつなぎ、小学校の6年間をトータルサポート

『天使のはね』で知られる業界トップシェアのランドセルを企画、製造、販売する株式会社セイバン。積極的に子供の意見を取り入れ続けるランドセル事業について、販売部門を統括する山下朋哉さん、広報担当の久保明広さんに詳しく伺いました。またこの度立ち上げられた『探究子育てまなびメディアサイト』と銘打ったファミリーで楽しめるウェブコンテンツ『Soda!Soda!』。『Soda!Soda!』を立ち上げた経緯やセイバンが展開する意義をプロジェクトマネージャー尾野舞子さんに伺いました。

子供たちの意見を反映させ、進化しつづけるランドセル

セイバンは100年以上の歴史を持つ老舗企業。戦後、本格的にランドセルの製造、販売を開始し、多くの子供たちにランドセルを届け続けています。子供が成長する過程において、とても重要な小学校時代の6年間を見据え、数々の機能開発に取り組んできました。

広報担当の久保明広さん(左)、ランドセル事業部にて販売部門を統括する山下朋哉さん(右)

―ランドセルに関して子供や保護者の意見が反映されることはあるのでしょうか。

広報担当 久保明広さん(以下、久保):はい、私たちはランドセルには機能性が重要だと考えていますので、実際に使用されているお子様や保護者様の声を反映させた改良にも取り組んでいます。
例えば下ベルトのパーツがわき腹の辺りに当たって痛いというご意見があり、フィットして馴染むような形状に変更しました。

子供からの声が反映された下ベルトのパーツ

「ランドセルを購入する」という体験を忘れられない想い出にする工夫

―どのように意見を取り入れるのでしょうか。

ランドセル事業部 山下朋哉さん(以下、山下):セイバンは全国に12店舗の直営店を置いています。教科書などを入れた際の重量感を体感できる重りや、照明器具により日中・夕方・夜のシーンに合わせたランドセルの見え方や反射材の光り方を体感できるブース(※恵比寿・横浜の2店舗のみ)があったりするのは、インターネット販売では成し得ない工夫ですね。なによりも各直営店にはランドセル選びのプロアドバイザーであるランドセルコンシェルジュがいます。ランドセルコンシェルジュがお子さまやご家族のご要望を伺いながら、それぞれのご家族に最適なランドセル選びをサポートします。

山下:他には、通学時間や距離、時には通学路での坂道の有無までをお伺いし、さらに地域特性や世の中のトレンドを見越して、お子様に最適なランドセルをご提案しています。

―各地で活躍するコンシェルジュの方々の工夫について詳しく教えてください。

山下:未就学児のお子様は集中力が途切れてしまうことがあります。ランドセルを背負って一緒に外を歩いてみたり、遊ぶような感覚で重りを入れてその感触を確かめていただいたり、お子様の興味が途絶えないように工夫して接することを心がけて心掛けています。
また、お子様と接する時は同じ目線に立って、必ず目を見てお話します。保護者の方に説明するだけではなく、ちゃんとお子様に対して接客することが重要だと思っています。そうするとお子様がどのような色や形が好きなのか色々と教えてくれるんです。

WEBサイト『Soda!Soda!』で子供たちの“探究心”を育みたい

セイバンはランドセルという商品を通して、小学校生活6年間を支えたいという想いで活動しています。更にはその6年間をランドセルという直接的な製品以外を通しても支えたい、ひいては子供たちとその家族を笑顔にしたいという想いが生まれました。
こうした想いから、冒頭に触れた探究子育てまなびメディアサイト『Soda!Soda!』を立ち上げました。

―『Soda!Soda!』はどういうサイトですか。また込められた期待についても教えてください。

『Soda!Soda!』プロジェクトマネージャー 尾野舞子さん(以下、尾野):“子育て”とか“学び”というと単なる教育系コンテンツだと思われるかもしれません。しかし私たちは何かを教える“教育”というよりも、探究心とか学びの楽しさを知ってもらうことに重きを置き、そのキッカケとプロセスを大事にしています。
小さな疑問や探究心を持って生活をしていると、何かの拍子に突然閃いたり、面白いことを発見したり、夢中になったりすることがあります。サイトを通してそういった体験を、お子様だけではなく保護者の方々にも訴えるようなコンテンツづくりを目指しました。

『Soda!Soda!』プロジェクトマネージャーを務める尾野舞子さん

―どのようなコンテンツになっているのでしょうか。詳しく教えてください。

尾野:探究心を軸に据えた『Soda!Soda!』は、大きく分けると9つのコンテンツで構成されています。

「みんなで探究」は決して正解の出ない疑問に対して子供たち同士で議論することで、自由な視点でものを考える、そして様々な考え方があるのだ、ということを学んでもらう企画です。
「Try First」は子供たちがチャレンジしたいことを実際にやってみるという内容です。大人もサポートしますが、あくまで子供に主体性を持ってチャレンジしてもらうことに意義がある企画になっております。
「オシゴトたんてい」は子供自身が興味を抱いている、なりたいと思っている職業の人に密着してお仕事体験をします。体験を通じてお仕事ってなんだろう、と考えてもらえるような内容になっています。
「五感で感じるおしごとクイズ」は、世の中には子供が知らない様々な職業があります。その職業について五感を刺激するような映像で探っていく映像クイズです。映像を観ながら、なんだろう?と色々考えてもらうようなコンテンツになっています。
「あ・そーだ!」は子供がいつも感じている疑問を教えてくれる企画です。子供だけではなく、大人が見ても気付きがある内容になっています。
「専門家に聞こう!教育のアレコレ」「教えてヨーコ先生」「GLOBAL REPORT」「SODA!VOICE」は保護者様向けのコンテンツになっております。

子供たちの興味を引きやすい内容を揃えているのはもちろんですが、子供たちだけでなく、保護者の方も楽しみながら学べるような記事など、家族全員で楽しめるコンテンツを用意しました。
動画を含めた各種コンテンツは、「小学校何年生向け」とか「何歳向け」など、あえて記載していません。お子様たちの興味対象を、私たちが決めつけてコントロールするべきではないと考えたためです。特に参加型のコンテンツは、年齢分け隔てなく議論をしてもらっています。

販売するだけではなく、継続的なコミュニケーションで学びを提供

―このサイトを子供にどのように知ってもらい、どのような効果を期待していますか。

尾野:私たちはありがたいことにランドセルの販売を通じてお子様との接点がありますので、まずはフライヤーのお渡しやメールニュースのお届け、SNS等を通じて知っていただきたいと考えています。 Soda!Soda!がお子さまとご家族にとって小学校生活のサポートになることを期待しています。

―子供の興味を惹きつけられるコンテンツをどのように作られているのでしょうか。

尾野:まだ始まったばかりなのであくまで仮定をもとに制作しておりますが、動画コンテンツはYouTubeチャンネルを介しておりますので、視聴者様のダイレクトな声も反映されると思います。そこから子供や保護者様の直接の言葉を拾って、何に興味を持っているのかを分析し企画に活かせたら、と考えています。

―子供に興味を持ってもらう工夫などはありますでしょうか。

尾野:テーマが「探究」なので、子供が本来もっている「探究心」を大切に、サイトの中でもコンテンツのねらいをそのまま出すのではなく、ご覧いただいた方がコンテンツを見てその狙いを感じていただけるようなつくり方をしています。
また、SEIBANスマイルメンバーズの会員になっていただくことで、各コンテンツへ出演し、実際に体験いただくことも可能です。

―どのような効果を期待していますか。

尾野:ランドセルをご購入いただく際の点の繋がりではなく、その先の線の繋がりを大切に、これからのお子様に必要となる「探究力」を育むためのヒントや、自分達の世代が受けてきた教育からの変化などを分かりやすく配信し、子供たちの未来を切り拓く力の一助となることを期待しています。

―今後の抱負や展開などがあればお聞かせください。

尾野:企画やコンテンツを随時ブラッシュアップしていくのはもちろんなのですが、オウンドメディアとしての枠を守ったうえで独立採算を目指していければと思っております。それによってセイバンランドセルのお客様以外のフォロワーも獲得していければと考えております。

『Soda!Soda!』リリースイベントの様子

―リリースイベント開催当日の様子を教えてください。

尾野:『Soda!Soda!』は2022年3月12日にサイトオープンし、リリースイベントも開催しました。16組と人数を絞って会員メンバーを招待したほか、オンラインでも同時配信を実施し、タレントの古坂大魔王さんやピアニストYouTuberのハラミちゃんにも登場していただき、イベントは大盛況に終わりました。合間の時間には出席した子供たちが退屈しないような工夫として、ランドセルの直営店でも行っているランドセルの生地を布カバンに貼り付けるワークショップも開催しました。

商品を販売するだけではなく、そこから継続的な“学び”と“探究”を子供たちに提供する『Soda!Soda!』を立ち上げたセイバン。ランドセル販売がきっかけで見出した、子供たちの大切な6年間を包括的にサポートする取組は、今後どのように発展していくのでしょうか。企業が有している知見を子供に伝えていく意義のある取組です。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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