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東京都

  • 子供の成長応援
  • 柔軟な働き方促進

掲載日:2022年3月1日

日本生命保険相互会社

「男性育休100%」と「子供が保険を学べる環境」の両軸で、子供をもっと笑顔に

日本生命保険相互会社(以下、日本生命)では、2013年度から、「男性育休100%取組」を継続しており、9年連続で取得率100%を達成。男性職員が育休を取得しやすい風土は、継続的な育児・家事への参画につながり、多くの子供や家族を笑顔にしています。
また、ライフプランへの興味を持ってもらうための「子供が保険を学べる環境」の提供も積極的に行なっています。

「男性育休100%」達成のために、さまざまな取組を実施しています

―男性育休取得者がほぼゼロという状況から取組を開始して以来、9年連続で取得率100%を達成している日本生命。この取組について、人材開発部 輝き推進室 課長補佐 眞砂 捷(まさご しょう)さんにお話を伺いました。

人材開発部 輝き推進室 課長補佐 眞砂 捷さん

人材開発部 輝き推進室 課長補佐 眞砂 捷さん(以下眞砂):当社は職員約7万名のうち9割が女性で、会社が成長を続けていくためには、女性の活躍が必要不可欠です。女性活躍推進にあたっては、女性を対象とした取組だけでなく、男性も含めた全職員の意識と働き方を見直していく努力が必要と考えました。そこで2013年度からスタートしたのが、「男性育休100%取組」です。

―取得率100%を達成するために、どのような工夫をされたのでしょうか。

眞砂:取得率100%という目標を打ち出した当初は、「取れるわけがない」という否定的な意見も多かったと聞いています。そこで3つの軸を設定し、さまざまな取組を始めました。
1つ目は「トップのコミットメント」。経営トップが「100%を実現することが、風土を変える」という明確なメッセージを発信し、営業現場のキーパーソンが率先して育休を取得しました。
2つ目は「管理者の意識・行動」。所属長が職員の取得計画にもとづいてサポート体制を構築し、人事部門とともに徹底フォローを実施しました。
3つ目は「本人の意識・行動」。ハンドブックで取得の趣旨やメリットを伝えたり、取得者の体験談などを社内報やイントラネットで紹介したりしました。
このような取組から取得しやすい風土が広がり、取得率100%を達成することができました。

「男性育休+α」100%運営を加え、より実効的な取得推進へ

―「男性育休100%取組」に+αの要素を盛り込み、新たな運営を開始されたと聞きました。

眞砂:男性育休を取り巻く世の中の動向を踏まえ、男女双方の働き方への理解のさらなる促進と、男性職員自身のライフサポートの実現を目指すべく、2021年度より「男性育休+α」100%運営を開始しました。具体的には育休取得に際し、下図①〜③より1つ以上を選択して実施する運営としています。一律ではなく選択制としたのは、家族構成や共働きの状況など、世帯ごとに状況はまちまちであり、1人1人の職員の状況に応じた、より実効的な取得を推進していくためです。

―運営にあたって新設された取組もあるそうですね。

眞砂:年3回の所属長との面談時に、配偶者の出産予定のある男性職員にヒアリングを行い、人事部門に報告する取組を始めました。これにより、育休取得に向けたフォロー体制を早期から整えることができます。また、人事部門では、報告のあった男性職員に対し、仕事と育児の両立に役立つハンドブックの提供や、出産予定1カ月前までに「男性育休+α」の取得予定の提出を求める連絡を実施しています。

「取得してよかった」「また取りたい」といった声が多く寄せられています

―育休を取得された男性職員の反応はいかがですか。

眞砂:取組を開始した2013年度からこれまでの累計取得者数は約2,100名となっています。また、「男性育休+α」100%運営を通じ、男性取得者全体に対して産後8週以内に産休を取得する職員の割合が、過年度から約6倍に増加。平均取得日数は約11日と、過年度から3日増えました。産後8週以内に産休を取得した職員からは、
「家族が一番大変な時期に取得したことで、家族の絆がさらに深まりました!
家族・夫婦円満であることは、子供にとって何より嬉しいことだと思います!」との声も寄せられました。
16時早帰り活用による育児参画デー設定を選択した職員からは、「会社からの+αの後押しが、継続的な育児・家事の参画につながっています」、「早帰りのために業務効率を改善するようになりました」との声が届くなど、思わぬ好循環も生まれています。

パパやママが家に居てくれることが、子供にとってはなにより安心

―育休取得者だけでなく、職場や経営にも良い変化があったそうですね。

眞砂:男性職員の育休に限らず、全般に休暇や休業を取りやすい雰囲気になりました。また、職員のワークライフバランスを尊重したマネジメントが、モチベーション向上や組織強化につながっています。さらに、男性職員や管理職の意識や行動が変わったことで、女性職員がより一層活躍しやすくなったと感じます。人材確保の面でも、良い効果が表れています。

子供の笑顔につながる男性育休の取組を、今後も継続していきます

―男性育休の取組について、今後の展望をお聞かせください。

眞砂:2013年度から「男性育休100%取組」を開始し、今では全社的に、「育休を取ることは当たり前」という風土が根付いています。2021年度に「男性育休+α」100%運営を取り入れたように、今後も育休取得者の声や世の中の動向を踏まえながら、この取組を継続していきたいと考えています。男性の育児・家事参画で、子供と一緒に過ごす時間が増え、子供の笑顔がさらに広がっていくことを願っています。

金融リテラシー教育ニーズに応えて、キッズセミナーや出前・受入授業も開催

CSR推進部 CSR業務課長 茂又 弥江(もまたやえ)さん

CSR推進部 CSR業務課長 茂又 弥江さん:当社は、「安心・安全で持続可能な社会の実現」に向けて、次世代が豊かで健全に育まれていく社会づくりに貢献するため、次世代を担う子供たちへの支援や社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。そこで大切にしているのは、日本生命らしさを活かしたFace-to-Face(フェイス トゥ フェイス)の取組です。 当社職員が講師を務める「出前・受入授業」もそのひとつで、生徒だけでなく、学校側からも大変喜ばれています。

中学生・高校生を対象にした出前・受入授業のほか、小学生を対象にした夏休みキッズセミナーも開催されています。この活動について、CSR推進部 主任 猪瀬 直子(いのせ なおこ)さんと、前出の眞砂さんにお話を伺いました。

CSR推進部 主任 猪瀬 直子さん(以下、猪瀬):2008・2009年の学習指導要領改訂に伴い、当時、金融リテラシー教育のニーズが高まっていました。そこで、日本生命として子供たちのために何かできることはないかと考え、2009年、生命保険の仕組みなどをわかりやすく説明した小学生向けの漫画「保険のひみつ」と、自分自身の将来設計を考える中学生向けの学校教材「わたしの未来設計図」を制作しました。
そして同年、来店型店舗ニッセイ・ライフプラザにおいて、小学生を対象に開始したのが、夏休みキッズセミナーです。保険の仕組みやお金の大切さを学んだり、ライフプラザの仕事を体験したりする「知ってる?保険のひみつ」を開催しています。

間伐材を使用した木工作などのワークも盛り込まれる「夏休みキッズセミナー」

猪瀬:活動を続けているうちに社内外から要望があり、2011年から中学生・高校生を対象に開始したのが、出前・受入授業です。「ライフデザイン」「家計管理」「支え合い」などをテーマにしたアクティブラーニング形式の授業で、生徒たちが自分自身の将来について考え、きり拓いていくことを応援しています。

日本生命が制作した教材。左が「保険のひみつ(小学生対象)」、右が「わたしの未来設計図(中高生対象)」

―子供や保護者だけでなく、講師を務めた職員からも好評を得ていると聞きました。

猪瀬:夏休みキッズセミナーに参加した児童や保護者からは、
「保険や環境についてわかりやすく学ぶことができました」
「夏休みの自由研究にも活かすことができそうです」
など、高い評価をいただいています。
また、出前・受入授業を受けた生徒からは、
「目の前のことだけを考えるのではなく、未来のことをしっかり考えることが大切だと思いました」
「たくさんの人に支えられて今の私がある。そう思うと感謝の気持ちでいっぱいです」
といった声が寄せられています。

中学生・高校生に向けた出前授業の「わたしのライフデザイン」授業風景

眞砂:私も講師として中学校の出前授業に行ったことがありますが、生徒たちが生き生きと将来のことについて考えている様子がとても印象的でした。教材なども含めたプログラムそのものは非常に完成度の高いものを使用していますので、我々講師側はそれに沿って授業を行っています。導入時に興味を持ってもらうために、例えば“日本の平均寿命は?”というような身近な話題を問いかけてリアクションを促すなど、話題の選び方や話し方という部分で講師それぞれが工夫しています。 また生徒のコメントにもありましたが、未来のことを真剣に考えるきっかけになっていると思います。保険や預貯金といった直接的な金融の話だけではく、進学、就職、結婚、子育て、老後というライフイベントに伴う平均的な出費も紹介します。こういった「興味を持ってもらう」「わかりやすく伝える」を意識することは、本業であるサービスの商品説明やご提案にも活かしていくことができると感じています。

猪瀬:実際に講師を務めた職員からは、「自己成長につながりました」「自身の業務の意義を再確認できました」「またやりたいです」といった声も聞かれ、毎年度、講師への応募は後を絶ちません。現在当社では、これまで蓄積した、生徒、教員、講師の声(アンケート結果)から改善点を見いだし、より深化した教材に改訂中です。今後も、参加者の生の声や学習指導要領など、社外の意見や視点を踏まえ、より良い授業づくりを目指していきたいと考えています。

「男性育休100%取組」開始から9年連続取得率100%を達成している日本生命の取組は、女性も男性も育児休業の取得が当たり前という風土形成だけでなく、子育てに直接関わりのない職員への啓もうにもつながっています。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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