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東京都

コラボレーション活用事例

掲載日:2024年2月6日

学校法人久光学園 志のぶ幼稚園 × アンサンブルむじくる

東京都が取り組むこどもスマイルムーブメントでは、子供を大切にする社会を目指すために参画企業・団体同士の交流を後押ししています。その一環として、参画企業・団体交流会「MEET UP!」を開催。この交流会をきっかけとして、2023年5月、志のぶ幼稚園と、アンサンブルむじくるのコラボレーションイベントが実現しました。今回は、このコラボレーションの内容や、イベント開催に至るまでの工夫、反響などについてお話を伺いました。

(左)アンサンブルむじくる 代表 立花さん (右)志のぶ幼稚園 園長 岡さん


交流会から約2か月でコラボ実現!みんなが嬉しい、win-winのコンサート


――交流会をきっかけにコラボレーションが実現したと伺いました。どのような経緯を経て実施に至ったのでしょうか?


アンサンブルむじくる 代表 立花さん(以下、立花):交流会では、お互いの活動について情報交換をしました。その日は具体的なコラボレーションのお話には至らなかったのですが、これを機に何か一緒にイベントができないかと思い、交流会後にご連絡しました。

志のぶ幼稚園 園長 岡さん(以下、岡):交流会が行われたのは3月で、弊園では翌年度のカリキュラムの詳細を決めている時期でした。毎年5月に行っている母の日イベントの内容がまだ決まっていなかったこともあり、弊園でコンサートを開いていただくことになりました。6月に目黒のホールでコンサートをされるということで、win-winのコラボレーションができそうだと思いました。

――具体的にはどのようなコラボレーションになったのでしょうか。

岡:『母と子の絆を奏でる親子コンサート』というイベント名で、園に通っている親子向けにコンサートを開催しました。曲目は大人も子供も知っている童謡やクラシックなどをバランスよく組み込んでいただき、親子で楽しめる内容にしていただきましたね。さらに、毎年イベントで歌っている弊園の園歌『志のぶのこころ』をアレンジしていただけて、非常に嬉しかったです。



立花:普段はコンサートホールで演奏を行うことが多い中、幼稚園での演奏はお客様との距離がとても近く、アットホームで温かいコンサートになりました。

――工夫したことはありますか?

岡:お会いしたばかりでお互いのことをあまり知らない状況でしたので、園としてできること・できないこと、やりたいことなどを初めにお伝えしました。それを踏まえて、アンサンブルむじくるさんのスタイルを活かしたコンサート内容を考えていただきましたね。そのおかげで、スムーズに準備を進めることができました。

 

立花:はじめはコンサートのプログラムを複数考えてご提案し、その後オンラインによる打ち合わせでご希望を伺いながら詳細を話し合っていきました。ある程度私たちに任せていただいたので、お互いのやりやすい形にできたのではないかと思います。

――コラボレーションをする中で苦労したことがあれば教えてください。

岡:イベント規模を考えるのが少し大変でしたね。一度に大勢が集まらないようにするため、参加される親御さんを半分ずつに分けて、2回公演にしていただきました。



立花:演奏者がステージを降りて客席を歩く演出は、客席の最前列の前までとするなど、細かいことも事前の打ち合わせで決めていきました。

――コンサートの反響や効果はいかがでしたか?

岡:大変盛り上がりましたね。わかりやすい反応としては、コンサート中に子供たちが笑顔で手を叩いて一緒に歌ったり、翌日にお絵描きでバイオリンの絵を一生懸命描いていたり、と子供たちにとって非常に良い経験になったようです。

特に印象的だったのは、いつも集会で座らず動き回っている子が、コンサートの時はお母さんの膝の上に座って、目を閉じながらしみじみと鑑賞していたことです。それを見て、音楽の力は子供の想像力を掻き立てる素晴らしいものだなと改めて感じました。



立花:コンサート中、大きな声で一緒に歌ってくれたり、呼びかけに元気に反応してくれたりと、積極的に参加してもらえて私たちもとても楽しかったです。

またコンサート後に、目黒のホールで行うファミリーコンサートについて案内させていただいたのですが、想像以上にたくさんの方から反響がありました。楽しんでもらえたんだなと思い嬉しかったですね。

ファミリーコンサートはおかげさまでいつもよりお客さんが多く、大いに盛り上がりました。志のぶ幼稚園でのコンサートでもファミリーコンサートでも、お帰りになるときに子供たちの笑顔がたくさん見られて、成功させることができたと感じました。



子供たちをもっと笑顔に 今後取り組みたいコラボレーションとは

――他にも、こんな企業・団体とコラボレーションしてみたい! というアイデアがありましたら教えてください。

立花:製造業や資材業者の方から廃材をいただいて子供用の楽器作りをする、ランチコンサートをするなど、やってみたいことがたくさんあります。こどもスマイルムーブメントを通じて様々な企業や団体と繋がり、新しく楽しい取り組みができたら嬉しいです。

岡:弊園では、園がお休みの日に地域の子供たちに園庭を開放する『志のぶわいわいパーク』という取り組みを行っています。そこでは、絵本屋さんやおもちゃ屋さん、お弁当の販売、ボーイスカウトのワークショップなどなど、様々な企業やお店の方に来ていただいて子供たちに楽しんでもらう工夫をしています。また、弊園では毎年その年にちなんだイベントを行っています。たとえば2024年はイタリアで音階の「ドレミファソラシド」が生まれてから1,000年となる記念の年になるので、来年度は音楽をテーマに面白い企画をたくさん実施していきたいと思っています。このように、いろいろな機会でコラボレーションができると思うので、これからも様々な企業や団体と繋がって、どんどん新しい取り組みをしていきたいです。



――最後に、子供たちへのメッセージをお願いいたします。

立花:好きな音楽を聴いたり演奏したり、音楽に親しんで過ごしていく人生は、とても楽しいものです。小さい頃から音楽に触れ、大人になってもその豊かさを感じ続けてもらえるような取り組みをこれからもたくさんしていきたいと思っています。音楽を通じて、子供たちが楽しい人生を送っていけるよう、応援しています!

岡:子供たちに伝えたいことは、「楽しかったこと・嬉しかったことがあったら、周りの人に話してね」ということです。それを話すと、自分自身も明るい気持ちになりますし、話を聞いた方も嬉しくなります。そして、子供たちの笑顔は、周りの子供たちや大人に連鎖していきます。子供たちの笑顔には、世界を明るくするパワーがありますからね!

子供たちの笑顔のために大人が体験の機会を作り、見守り、その反応に耳を傾けることが大切だと思っています。こどもスマイルムーブメントでも、そういった取り組みがどんどん生まれてほしいです。

――ありがとうございました。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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