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東京都

  • 育業促進

掲載日:2024年2月13日

株式会社FunJapanCommunications

仕事は自分の人生を豊かにするためのもの。育業は必ず人生を彩る経験になる。
トップとして揺るぎない思いを伝え続けていきたい。

今年創業から8期目の株式会社Fun Japan Communicationsは、従業員40名弱のうち13名が外国籍の社員(以下、グローバルスタッフ)で構成された、グローバルにビジネスを展開する企業。国籍問わずパパ社員も多く、男女育業取得率は100%の実績があります。2023年4月より代表取締役社長を務める山内浩世さんに、トップとしての育業に対する考えや思いを伺いました。

代表取締役社長 山内浩世さん

国籍に関係なく、誰もが働きやすい環境を追求。人材マネジメントを揺るぎないものにすることが業績拡大に繋がる。

―アジアを中心とした海外向けに日本の魅力を伝える事業を展開し、様々な国のスタッフと共に働く中で、育業や働き方について、山内さんが代表としてどのようにお考えか教えてください。

代表取締役社長 山内浩世さん(以下、「山内」):私自身、人材開発の業務に従事した経験から、業績拡大を考える上で人材マネジメントは重要なポイントだと考えています。人材マネジメントに働きやすい環境は必要不可欠です。「様々な国のスタッフと一緒に仕事をしていて大変ではないか」という質問を社外の方からよく受けるのですが、私は国籍や性別等を全く意識していません。日本人スタッフもグローバルスタッフも、誰もが気持ちよく働ける環境を目指しています。
特に育業については、子供が生まれるという素晴らしい奇跡に対して、出産、育業、子育てを、国籍問わず皆が望むようにできるよう支援していきたいと考えています。育業したい方が安心して育業できる環境を作り、実際に育業してもらえるように、会社として、トップとして推進していく気持ちです。

―働きやすい環境づくりという点で、どのような施策に取り組んでこられたのでしょうか。

山内:一番大きな施策をあげるとしたら、テレワークの導入ですね。コロナがきっかけで浸透しやすかった背景はありますが、テレワークを基本としたことで会社全体が大きなメリットを享受していると実感しています。
テレワークでは、社員自身の自律性が求められますが、導入した結果、社員が非常に成長したと感じています。
育児と仕事の両立の点から捉えると、通勤時間がなくなることで、家事や育児、プライベートに使える時間が増えますので、日常生活に心身のゆとりが出ますよね。また、自律性が高まることで、お子さんのご事情などで思うように働けない時があっても、しっかりゴールを見据えて、そこに合わせて業務に向き合えるようになります。
テレワークの懸念事項として、社内コミュニケーションの希薄化や社員の業務状況が見えないといった課題を耳にしますが、社員を信頼しており、私は全く問題を感じていません。弊社の場合、テレワーク導入後、社員同士で自発的にイベントを作って交流するなど、様々な機会を設けており、以前に比べて社員同士が互いの存在、その必要性を感じる機会が生まれ、つながりが強まったように思います。

育業するのは当たり前!とトップが積極的に発信することで会社が育業を応援する姿勢を示している

―男女育業率100%を達成されておりますが、育業に対して社内ではどのような意識を持たれているのでしょうか。

山内:私は、これまで育業したい社員については全て応援してきましたが、弊社の社員は3人に1人が外国籍ということや、育業に対して新しい価値観を持つ若い世代が多いので、育業について否定的なマインドがないというのが大きな特色かもしれません。余談ですが、弊社は男女比こそ半々ですが、ママ社員が3名に対してパパ社員が12名でして、皆子育てに積極的です。
そうはいっても、男性社員からは「育業してもいいですか?」という遠慮気味な申し出もあります。そう聞かれたら私は必ず「当たり前じゃん!」と伝えています。育業するのは有給休暇を取得するのと同じ感覚だと思っています。社員が家族のために有給休暇を利用し会社を休むのが当然であるように、未来を担う子供を育てるために育業を行うことも当たり前のことだと考えています。いずれも会社とすれば社員が不在になるという負担はありますが、社員にとってもその家族にとっても必要なことに変わりありません。

―育業することに対してトップが非常に前向きというスタンスが浸透していったわけですね。山内さんは育業や育児出産についてどのようにお考えでいらっしゃるのでしょうか。

山内:出産は奇跡だと思っています。さらに、育児に携われる期間は長い人生の間で意外と短いので、その貴重な期間をお父さんとお母さんと過ごせることは、お子さんにとってすごく大事なことですよね。そしてご両親にとっても、かけがえのない時間になるのではないでしょうか。
先日も、パートナーの分娩が始まったと言って病院に向かった社員がいましたが、こうして育児に関わることを、どんな仕事より優先して欲しいと思っています。誤解を恐れずに申し上げますと、仕事は誰か代わりがいると思うのですが、子供にとってはお父さんお母さんの代わりはいません。どんなに仕事が詰まっていても、会社に迷惑をかけるとかを考えず、育業を優先してほしいと思っています。

社員にとって働きやすい環境を整えた結果できた、育業しやすい風土醸成。育業期間が短くても育児に携わりながら仕事との両立を実現

自宅でお子さんと過ごす社員の様子

―ちなみに、みなさんはどのくらいの期間を育業されているのでしょうか。

山内:弊社はテレワークが基本スタイルなので、育業日数としては1日という人もいますし、1週間や10日間というケースもあります。それぞれのライフスタイルに応じた最適な育業を行い、自宅でテレワークをしながらパートナーと協力しているようです。
さらに言うと、弊社では働きやすさを追求して変動労働制を採用し、勤務シフトは11種用意しています。朝7時00分から夜の11時30分の間で、所定労働時間の7時間30分を勤務する形です。これは月単位での申請なので、ライフスタイルに合わせて変更が可能です。社員によって、お子さんが学校や幼稚園に行っている時間帯を中心に勤務する場合もあれば、パートナーが長期出張の期間は早く働き始めて早く終わるように勤務時間を設定するなど、各々好きな時間に働いています。先ほどのテレワークとこの制度を合わせることで育児と仕事を両立しやすく、育業をする期間が短期になる傾向はあるのかもしれません。また、弊社の場合、男性社員のパートナーが専業主婦というケースも多いので、収入面を考えて短期になることもあります。もちろん、長期で育業したい、できる限り育児に参加したいという社員がいれば応援したいと思います。

―育児と両立して働きやすい環境ですね。他に、出産や育児に関する支援施策等はあるのでしょうか。

山内:子供の看護休暇制度ですとか、あとは出産お祝い金の支給をしています。弊社では、月に2回、社員が全員集合するオフラインの全体会議を行なっており、そこでお祝い金をお渡しするという伝統があります。みんなから祝福してもらえるというのは、とっても嬉しいことですし、育業や仕事をしながら子育てをしていく上で勇気づけられるのではないかと感じています。

グローバルスタッフを抱えるからこそ生じる事態にも、柔軟に対応して様々なニーズに応えていきたい

―育業中、子育て中の社員の対応の中で、新たに出てきた課題やそれに対する施策はありますか。

山内:ある男性グローバルスタッフから、出産で母国に帰るパートナーと一緒に帰国したいという相談を受けたことがありました。初めての妊娠・出産の不安でパートナーの気持ちが落ち込んでいるので、男性スタッフが一緒に帰国してそばにいてあげたいとのことでした。また、生まれた後の手続も母国で行う必要がある状況でした。
弊社のテレワーク制度では、このようなケースを想定しておらず、自宅か弊社が認めた場所以外を勤務場所と認めておりませんでしたが、社員の育業を推進してもらおうと、海外の実家でテレワークを行うことを認めることといたしました。
今回のことをきっかけに、テレワークの場所の範囲を広げてみようとか、帰省休暇を導入できないかなどと人事担当者と検討を始めました。お子さんもすぐに大きくなってしまうので、時々母国の家族に会わせたいということもありますよね。会社として、社員に対してどのような応援ができるか考えています。このような問題は出産や育児中の社員だけではなく、親の介護などを含めた様々なケースで出てくることが想定されますので、今後も柔軟に対応してまいります。

―育業するスタッフを支える周囲の方からは、どんな声がありますか。

山内:出産という吉報が入ると本当にお祝いムードになります。皆育業する社員を応援する姿勢でいると思います。マイナスの意見などは聞いたことがありません。ただ業務全般を通して、業務量が増えることで負荷がかかって不満が生じる可能性は否めません。そういう声が聞こえたら、私がしっかり向き合って話をしますし、これまでも別の理由で社員から声が聞こえた時は、話し合いを重ねてきました。
やはり、育業に限らず相互受容が大事になります。育業はお子さんの誕生がきっかけですが、自分が病気で休むこともありますし、身内の介護ということもあると思います。もしくは、いずれお子さんを授かり育業する立場になることも考えられます。ですので、もし育業やそれ以外の事情によって働き方を変える社員に対して、周囲の社員からネガティブな声が聞こえたら、私からは「いつか自分もそういう立場になる可能性がある」ということを説明して理解してもらうよう努め続けたいと思います。

―育業するお子さんを持つスタッフが増えてきて、社内で変化したことなどはありますか。

山内:いくつかありますね。例えば、オンライン会議をしているときに、お子さんの姿が見えたり声が聞こえたりすることがよくあるのですが、参加者みんな和やかな気持ちになっています(笑)。ノイズだと感じることは一切なく、可愛い声が聞こえると、思わず笑みが溢れます。あとは、Slack(オンラインコミュニケーションツール)に、子供が急に熱を出して迎えにいきます、というような投稿があると、多くの社員がお大事に!というリアクションをしています。
他にも、お子さんの顔を見せにオフィスに連れてきてね、といった声かけもしています。まだ誰も連れてきていないんですけどね(笑)。いつか家族参観日を設けることが私の目標です。

トップとして一人ひとりと向き合い、育業への不安も解消することで育業しやすい環境を整備し続ける

家庭でお子さんと過ごす社員の様子

―今後はどのような取組を検討しておられますか。

山内:育業に限らずですが、社員一人ひとりのキャリアについて寄り添って考えていきたいですね。先日も、グローバルスタッフを対象とした「キャリアについて語る会」を開催しました。そこでは、日本人スタッフと比べ対応に温度差を感じることがあるといった意見がありました。当然、そのようなことはありませんので、「ここでは国籍は関係ないよ、みんな一緒だよ。」と伝え、しっかりと話し合いました。
日本人スタッフ同士であっても、こうした意見が出ることは予想されますし、育業する場合も、立場によって様々な意見があると認識しています。例えば、一定期間業務から離れることをキャリア視点でデメリットと感じたり、育業する社員を支える側では、業務量のしわ寄せが生じることに対する不公平感を抱いたりするかもしれません。これからも社員一人ひとりの声に向き合い、解決していきたいと思います。

―最後に、これから育業支援をしていこうとしている企業・団体様へのメッセージをお願いいたします。

山内:新しいことに取り組む時に、不安はつきものです。育業の積極的な推進を迷っていらっしゃる企業・団体様もいらっしゃるかと思います。育業する方が増えると人の手配ができない、プロジェクトが進まなくなるなどの懸念もあるかもしれません。
しかしながら、やってみることでやらなければ得られなかったものを得ることができるなど、想定以上のプラスの副産物も生まれるということを実体験としてお伝えしたいです。
弊社では現場の社員も育業から復帰した社員もしっかりパフォーマンスを発揮し、会社に貢献してくれています。育業を促進することにより会社全体がパワーアップすると思いますので、まずはトライアル期間などを設けてみてはいかがでしょうか。
私がトップに就任して改めて意識していることとして、社員を信じるということがあります。どの企業・団体の従業員様も、しっかりとそれぞれのお考えを持った、優秀な方々だと思います。育業を希望する方の背中をぜひ、積極的に押していただけたらと思います。

Fun Japan Communicationsは、
それぞれの社員の人生が豊かになる働き方を応援し続けます。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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