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東京都

  • 子供にやさしいまち・商品・サービスづくり
  • 子供を大切にする気運醸成

掲載日:2023年3月14日

小田急電鉄株式会社

「こどもの笑顔をつくる子育てパートナー」として、鉄道会社ならではの取組を通じた子育てに優しい沿線を目指す

小田急電鉄株式会社では、小田急線沿線において親子が楽しめるイベント等を通じ、子育てを応援しています。今回は子育て層をメインターゲットとした、お出かけ情報発信サイト、「小田急の子育て応援ナビ~FunFanおだきゅう~」に注目し、取組内容や今後のビジョンについて、広報・環境部 課長代理の廣瀬隆之さん、事務員の杉田稚子さんにお話しを伺いました。

広報・環境部 課長代理 廣瀬隆之さん、事務員 杉田稚子さん

小田急線沿線にて子育て世代が親子で楽しめるお出かけ情報を発信

―現在実施している子供向けの取組はどのような内容ですか。

小田急電鉄株式会社 廣瀬隆之さん(以下、廣瀬):子育て世代を主なターゲットに、小田急沿線のお出かけスポット情報やお役立ち情報等を発信する「小田急の子育て応援ナビ~FunFanおだきゅう~(以下、FunFanおだきゅう)」を運営しています。具体的には小田急グループで実施しているイベントや、沿線エリアで実施している子供向けのイベントやお得な情報などをほぼ毎日掲載しています。掲載しているイベントの企画・運営は小田急グループだけでなく、小田急沿線の自治体や企業などと連携して取り組んでいます。イベントなどを掲載しているサイトはシンプルさ・分かりやすさを重視しており、ジャンルや開催時期、開催場所などから希望のイベントを簡単に検索できるのが特徴で、「こどもの笑顔をつくる子育てパートナー」として、小田急沿線での子育てを楽しんでもらえるような情報を発信しています。

―子供向けの取組を始めた背景、理由、きっかけについてお伺いさせてください。

小田急電鉄株式会社 杉田稚子さん(以下、杉田):もっと子育てを楽しんでもらいたい、沿線地域を盛り上げたいという想いを形にする取組は、2015年に保育や教育関連サービスに関するお役立ち情報などの発信を目的とした親子向け情報サイト「ここでね ずっとね」を開設したことがきっかけとなっています。開設後の2018年には、子育て世代の更なる応援強化を目指し「小田急の子育て応援ナビ」としてサイトをリニューアルしました。
2021年には、子育て世代や子育てを応援したいといった想いを持つ社員33名で、子育て応援ポリシー策定に向けたワークショップを開催しました。ワークショップでは、「子育てしやすい小田急沿線の実現」に向け、「子育てとは何か?」「小田急ができることは何か?」などをテーマに、小田急として子育て世代にどのような貢献ができるのかを検討しました。そこでの議論を基に2021年11月に子育て応援ポリシー「こどもの笑顔は未来を変える。Odakyu パートナー宣言」を策定しております。
その子育て応援ポリシーを体現する施策として、2022年3月に全国初の「小児IC運賃を全区間一律50円」とする、小さなお子さま連れのお客さまが気兼ねなく安心して小田急線をご利用していただける「小田急の子育て応援車」の運用を開始しました。さらに4月には、子育て世代のイベント情報に特化した情報サイト「小田急の子育て応援ナビ~FunFanおだきゅう~」がスタートしました。「FunFanおだきゅう」にリニューアルした後、情報量の増加および見やすさの改善が図られそれにより、サイトのPV数が向上し、多くの方々に子育て応援サイトとして活用していただいていることを実感しております。

小田急の子育て応援ナビ~FunFanおだきゅう~のサイト

「FunFanおだきゅう」に掲載したイベントを通して、子育ての楽しさ・素晴らしさに気付いてもらいたい

―そうした経緯で現在の取組に至ったのですね!取組としての特徴やアピールポイントはどのような点にありますか。

廣瀬:普段経験できないような学びの機会を、「FunFanおだきゅう」を通じて子供たちや子育て世代に発見してもらうことだと思います。
また、掲載イベントの中には、線路の枕木の点検などのお仕事体験も紹介しているのですが、このような普段見ること・入ることができない場所での体験機会を提供することで、鉄道会社しかできない学びの機会を提供しています。
その他、イベントや取組に参加いただいた後は、当日の様子が分かる体験レポートをサイト上に掲載しております。参加した子供たちの感想や笑顔の写真を多くの人たちに届けることで、子供の成長を実感してもらえる情報を発信することができていると考えています。

―具体的に取組を実施、検討する中で、大切にしていたこと、重視したことは何かありますか。

杉田:子育て応援のコンセプトである、「小田急沿線での子育てが楽しいと感じてもらえるような情報発信」を行うことを重視しています。具体的には、子供だけでなく子供と親が一緒に過ごせて楽しめる、親子で思い出作りができるイベントの発信に努めています。近年では、小田急沿線の自治体が抱える課題や課題解決に向けた施策に関する情報についても周知しています。
また、イベントの企画の際には地域住民等、誰でも参加できることを前提に、「何を子供たちに学んでもらいたいか」をきちんと考えることを大切にしています。

子供の安全が第一優先。部品一つ一つを確認しながらのイベント企画

―取組を始めてから、どんなハードルや苦労がありましたか。

廣瀬:電車や駅を活用したイベントをご紹介・実施することが多いのですが、子供向けのイベントであることから、安全の確保が最優先と考えています。そのため、安全を第一に考えながらどのように子供たちに楽しんでもらえるのか、という点を考慮しながらイベントを企画しています。イベントの実施時には担当者と、部品一つ一つまで確認をしながら子供たちの安全確保に努めています。

FunFanおだきゅうのイベント(小田急親子ゼミ 鉄道編)に参加する子供たちの様子

取組を通じて、子供たちを笑顔にするだけでなく、社員の仕事に対する誇りや使命感が高まる

―実際に取組に参加した子供から、どのような感想や意見が寄せられていますか。

杉田:「普段経験ができないことが経験でき、楽しかった」という感想を多く頂きます。線路の枕木点検などのお仕事体験では、普段は子供たちの目に触れない深夜に実施しているため特別感を感じてもらえるようです。実際の体験では、昔ながらの点検から機械を使った最新の点検まで、子供たちが保守員となって体験して学べるような機会となっており、子供たちだけではなくご一緒に参加されている保護者の皆様からも好評いただいています。

―取組を実施する前と後で、本取組に対する社内の反応に変化はありましたか。

廣瀬:子育て応援ポリシーを策定したことで、子供向けの取組を実施する際の方針や想いを社内で統一することができ、子供向けの取組企画や運営を進めやすくなりました。
また、「FunFanおだきゅう」や、サイト内で紹介しているイベントなどは、熟練社員や若手社員など幅広い層が集まり運営・実施しており、こういった社員同士の連携を通じて、社内における後継者育成にも繋がっています。
さらには、イベントで子供たちから様々な質問や感想を頂戴することにより、仕事に対する誇りや使命感が高まったという意見を社員から頂くことも多く、子供向けの取組が社員のモチベーション向上にも寄与していることを感じています。

FunFanおだきゅうのイベント(小田急親子ゼミ 鉄道編)における集合写真の様子

「こどもの笑顔は未来を変える」という想いを基点に、日本一子育てしやすい沿線を目指す

―現在実施されている取組をさらに改良、拡大していく等、今後の展望やビジョンをお伺いさせていただけますか。

廣瀬:当社の一つの強みである小田急沿線の自治体との繋がりを活かし、今後も子育てに関する情報発信を強化していきたいと考えています。また、さらに多くのファミリーに利用してもらえる「FunFanおだきゅう」を目指していきたいです。
中長期的なビジョンとしては子育て応援ポリシーを軸に、「こどもの笑顔は未来を変える」という想いを大事にし、日本一子育てしやすい地域となるように、様々な取組を実施していきたいと考えています。

―現在実施中の取組のほかに、新たに実施を企画している取組等があれば教えていただけますでしょうか。

杉田:直近では「お出かけぬり絵キャンペーン」を2023年3月25日から5月31日まで実施します。具体的には小田急線全駅にぬり絵を配布し、自宅で完成させたぬり絵を「FunFanおだきゅう」に投稿していただくキャンペーンです。
また、昨年の12月に海老名中央公園で実施した子育て世代向けの新しいイベント「おだきゅうFamily Fun フェスタ」を2023年度も開催したいと考えています。
加えて、こちらはイベントではないのですが、小田急線では通勤車両の3号車を「子育て応援車」としており、子育て世代の方々が安心して乗車していただけるような車内環境づくりをさらに推進していきたいと考えています。

子供と社会を繋げる取組を通じて、サステナブルな社会の実現を目指す

―最後に、子供たちや、子育て世代の皆様へのメッセージをお願いいたします。

廣瀬:子供たちには自分が知りたいこと、やりたいことを思う存分に体験してもらい、楽しみながら学んでほしいと考えております。その中で「FunFanおだきゅう」も活用いただき、新しい遊び・学びの機会を見つけていただけたら嬉しいです。また、「おだきゅう Family Fun フェスタ」など他の企業と連携したイベントも企画しているため、そういったイベントへの参加を通じて、楽しい思い出を作ってほしいです。「子供と一緒に」、ということをキーワードにあらゆる情報発信をしていきたいと考えています。
子育て世代の皆様には、子育てが大変な時期もあるかと思いますが、後から思い返すと子育ては一瞬であることから、今の時間を大切にし、子育てを楽しんでいただきたいと思っています。また、そのために「子育てしやすい沿線」を目指して今後も取り組んでいきます。
企業・団体のみなさまには、小田急沿線で親子体験イベントを企画する際は、ぜひお声がけください。

―素敵なメッセージをいただき、ありがとうございました!

鉄道会社ならではの観点で親子が楽しめるイベントや取組を提供し、子育てしやすい地域づくりを目指す小田急電鉄株式会社の取組は、鉄道会社としての特性が十二分に発揮された意義のある活動です。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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