コラボレーション活用事例
掲載日:2025年10月29日
アンデルセングループ×学校法人久光学園 志のぶ幼稚園
東京都が取り組むこどもスマイルムーブメントに参画する企業・団体の交流会「MEET UP!」をきっかけに、アンデルセングループと志のぶ幼稚園のコラボレーションイベントが実現しました。今回は、2025年8月に開催されたイベント第2弾「夏やすみ!親子で楽しむバラエティブレッドとサンドイッチ」の内容や実施経緯、反響などについてお話を伺いました。
(左)志のぶ幼稚園 園長 岡さん (中)アンデルセングループ 上野さん (右)アンデルセングループ 柄澤さん 
楽しいパンの世界へようこそ!クイズも工作も楽しめる夏休みの親子向けイベント
――交流会での出会いからコラボレーションに至るまでの経緯について教えてください。
志のぶ幼稚園 園長 岡さん(以下、岡):交流会では様々な企業や団体の方とお話をする機会があるのですが、たまたま同じテーブルを囲んだのがアンデルセングループさんでした。実は、弊園で事務を担当する私の妻が以前アンデルセンで働いていたので、不思議なご縁を感じ、何か一緒にできればいいなと会話を始めたのがきっかけです。

アンデルセングループ 柄澤さん(以下、柄澤):弊社が交流会に参加した目的は、子供たちを対象とした食育活動の推進です。本社のある広島を中心に、県の食育事業の取組の一環である、小中学校の出前授業を行っているのですが、東京都を中心とした東日本での食育活動にも力を入れるべく、具体的なターゲットや場所を探していました。そこで2025年1月の交流会に参加したところ岡先生との出会いがあり、志のぶ幼稚園の子供たちに向けたイベントを開催することが決まりました。
岡:とは言っても一緒に何ができるのか、形が見えてきたのはしばらくしてからですね。お互いに意見を出し合う中でどんどんアイデアが広がっていき、「1回きりで終わってしまうのはもったいない!」ということで、プログラムの内容を変えて計3回イベントを実施することになりました。第1弾が6月に開催した「アンデルセンのわくわくワールドパンツアー」です。年長の子供たちを対象に、世界のパンを食べ比べながら国の文化や食の違いを体験してもらうもので、とても盛り上がりましたね。そして、第2弾となるコラボレーションを8月に実施しました。
――8月のコラボレーションはどのような内容なのでしょうか。
アンデルセングループ 上野さん(以下、上野):「夏やすみ!親子で楽しむバラエティブレッドとサンドイッチ」と題して、園に通うお子さんと保護者の方が一緒に参加できるイベントを開催しました。
柄澤:「食べ物の役割ってなぁに?」「パンってどうやってできるの?」「サンドイッチを一緒につくってみよう!」「一緒に『いただきます!』」というプログラム構成で、話を聞くだけでなくクイズや工作をしたりパンを食べたりと、子供たちが飽きないよう工夫を凝らしました。
 好きなパンや具材を切り抜いてオリジナルのサンドイッチづくりに挑戦!
好きなパンや具材を切り抜いてオリジナルのサンドイッチづくりに挑戦!  
「子供は初めてのサンドイッチ工作に興味津々でした。普段は具しか食べないのに、この後の試食ではサンドイッチを丸ごと完食。これこそ食育だと実感しました」
上野:様々な穀物の栄養を取り入れることができるパンに親しんでもらいたいと考え、ライ麦・玄米・全粒粉の3種類の「バラエティブレッド」も用意しました。どれがどのパンか分かるかな?とクイズを出したのですが、味や香りの違いを確かめたり親御さんと話し合ったりと、子供たちが楽しみながらも真剣に取り組む姿が印象に残っています。
柄澤:アンデルセングループでは「ヒュッゲ」というデンマークの考え方を大切にしています。ヒュッゲとは、「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」という意味を持つデンマーク語です。そのヒュッゲをヒントに、家族や友達など、大切な人と一緒に会話をしながら食を楽しむ「共食(きょうしょく)」の素晴らしさも感じてもらえるプログラムを目指しました。
 「このパンは何からできているのかな?」パンの素材の違いを確かめるパートでは「親子とも答えが間違っていて、素材に対する興味が湧きました」と、親子ともに学びのあるプログラムに
「このパンは何からできているのかな?」パンの素材の違いを確かめるパートでは「親子とも答えが間違っていて、素材に対する興味が湧きました」と、親子ともに学びのあるプログラムに
――イベントの反響や手応えはいかがですか?
上野:子供たちの楽しそうな姿が見られて本当によかったです。工作をする時間もパンを食べることも全力で楽しんでいて、たくさんの元気をもらいました。
柄澤:少し意外だったのは、柔らかいパンよりも硬いパンの方が好き!と答えるお子さんが多かったことです。今後の提案にぜひ役立てたいですね。イベントの最後には皆で一緒にサンドイッチを食べたのですが、「普段はサンドイッチを食べない子なのに今日は食べてくれました!」と嬉しそうに話してくれた親御さんがいて、思わずぐっと来てしまいました。
岡:親子で作業を分担したり協力し合ったりする姿は、普段なかなか見られないので新鮮に感じました。今回のイベントは平日開催なので、参加できる親御さんが少ないのではと不安だったのですが、実は定員を大きく上回る応募がありとても驚いたんです。「休みを取って参加します!」という方も多く、皆さんが親子で過ごす時間をどれほど大切にしているのかを改めて感じることができ、こうした機会をつくれてよかったと思っています。

大人が一歩踏み出すことで、子供たちの体験が広がり、豊かな感性が育まれる
――次回のイベントはどのような内容になるのでしょうか。
柄澤:2026年3月に開催予定のイベント第3弾は、デンマークの伝統行事「ファステラウン」を楽しんでもらう企画を考えています。
上野:日本では聞き馴染みのないものですが、ファステラウンは、長い冬が続くデンマークで春の訪れを祝う伝統的なお祭りで、子供たちが仮装をしたり樽叩きという遊びをしたり、ファステラウンのパンを食べたりと、大人から子供まで楽しめる祭事です。
岡:似たイベントに10月末のハロウィンがありますが、この時期に願書受付や面接を行うため、余裕を持ってハロウィンを楽しむことが難しいのです。一方、3月は卒園や進級を控えたタイミングなので、最後に皆で仮装をして賑やかに楽しめるファステラウンは、一生の思い出に残るイベントになると考えています。
――今後に向けて意気込みをお聞かせください。
岡:弊園では定期的に園庭を開放し、地域の皆さんの遊び場として提供しています。毎回200~300名ほどの方に来ていただいているのですが、アンデルセングループさんとの次回のイベントは、地域の皆さんを巻き込んで地域一体となって楽しめる企画にできればと考えています。まだ構想段階ですが、継続的に開催することで、ファステラウンを子供も大人も楽しめる地域のお祭りとして、長く愛されるイベントにできたらいいなと思います。
柄澤:私たちも今からとてもワクワクしています! 「ファステラウン」を通して、デンマークの文化や伝統に興味をもってくれたらうれしいです。
上野:これまでのイベントを通じて、どんな伝え方をしたら子供たちに伝わりやすいのか、どんな工夫をしたらより楽しんでもらえるのかなど、様々な気づきがありました。次回のイベントに活かすことで、より多くの方に楽しんでもらえたら嬉しいですね。
――コラボレーションを検討中の企業・団体の方に向けてメッセージをお願いします。
柄澤:会社の事業や活動内容とシナジーのある企業と共創したいと考える方は「MEET UP!」の交流の場への参加をお勧めします。様々な企業や団体がどのような思いで参画されているかがよく分かるので、コラボレーションにつながりやすいのではないでしょうか。民間が運営する企業間交流の場はありますが、「MEET UP!」は東京都が主催していることもあり、安心感があります。実は私たち自身が、交流会での出会いからまさかこのようなコラボイベントが実現できるなんて想像もしていなかったので、思い切って参加して本当によかったなと思っています。
上野:「何か収穫があればいいな」くらいの気持ちで参加したら、岡先生との思いがけない出会いがあり、そこからものすごいスピードで話が進んでいきましたからね。まずは一歩踏み出してみることが大事なのだと思います。
岡:まさに今回のコラボレーションを通じて、私たち大人が一歩踏み出すことにより、子供たちの体験が広がり、豊かな感性が育まれることにつながっていくのだと実感しています。すでにあるものをそのまま使うのではなく、お互いの文化や強みをかけ合わせ、可能性を広げていくことが真のコラボレーションと言えるのではないでしょうか。こどもスマイルムーブメントでつながったご縁から、より多くのコラボレーションが生まれ、未来を担う子供たちに還元されることを願っています。
――ありがとうございました。
 
 
記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。
紹介した企業・団体
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    株式会社アンデルセン・パン生活文化研究所 - 公式サイト
- https://www.andersen-group.jp/
- 住所
- 東京都 大田区平和島 6-1-1 東京流通センター アネックス2F
- TEL
- 0357536231
 
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