掲載日:2023年2月24日
東京ヴェルディ株式会社/一般社団法人東京ヴェルディクラブ
こどもスマイルムーブメント参画3団体が連携!パパ向け育児イベントを開催
女子プロサッカーチームの日テレ・東京ヴェルディベレーザを運営する東京ヴェルディ株式会社/一般社団法人東京ヴェルディクラブでは、こどもスマイルムーブメントの参画企業・団体である城北信用金庫、JOYCELEE株式会社と協働し、パパの育児参加について考えるイベントを開催しました。他企業・団体と連携しながら開催に至った経緯や、イベントに込めた思いなどについて、ホームタウン部の土居下雅晃(どいしたまさあき)さん、阿部千里(あべちさと)さん、女子事業推進室の太田和哉(おおたかずや)さん、パートナー営業部の久保大輔(くぼだいすけ)さんにお話を伺いました。
社会での女性活躍に欠かせない「パパの育児参加」をテーマにイベントを開催
―現在実施している子供向けの取組はどのようなものでしょうか。
ホームタウン部 土居下雅晃さん(以下、土居下):日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、ベレーザ)は、ホームタウンである北区と板橋区の住民に向けて定期的に様々な活動を行っており、その中に子供向けの取組もあります。今回はその事例として、2022年12月に開催した、北区・板橋区在住在勤のパパとその幼児を対象にしたイベント「SPORTS FESTIVAL~アスリートとパパと一緒に楽しもう~」を紹介します。
本イベントの目的は、女性が社会で活躍する上で欠かせない「パパの育児参加」について、当事者であるパパに改めて考えていただく機会をつくることでした。参加したパパには、親子でのボール遊びや、子供の手洗い・保湿といったスキンケアの講座を通じて、子供との接し方や遊び方、育児に対するパパの在り方などを、参加したアスリートとともに考えていただきました。
イベントの実施にあたっては、こどもスマイルムーブメント参画企業である城北信用金庫さんとJOYCELEE株式会社さんの2社と連携・協力しました。ベレーザの選手だけでなく、城北信用金庫さんからはテコンドーやフェンシング・フルーレなど4種目の女性アスリート職員が参加していただきました。JOYCELEE株式会社さんからはスキンケア講座のアイデアをいただき、同社の知見を提供いただきながら講座をつくることができました。
子育て中の現役選手の姿に着想を得た企画。連携先企業とも想いを共有
―このような取組を始めたきっかけについて教えていただけますか。
女子事業推進室 太田和哉さん(以下、太田):今回のイベントは、私たちが所属する日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の理念を推進する活動の一環として行いました。
WEリーグは「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する。」という理念を掲げてリーグ運営を行っており、所属クラブや選手、サポートを行うパートナー企業が、その理念の実現に向けて様々な活動を行っています。特にリーグで試合がない時期には「WE ACTION DAY」と称した理念推進日を設け、各チームでいろいろな取組を実施しています。例えば、ジェンダーについて考える授業や、性別・年齢・国籍に関係なく参加できるサッカー教室などの実施例があります。
ホームタウン部 阿部千里さん(以下、阿部):私たちも「WE ACTION DAY」の中で何かできることはないかと検討していた際に、1児のママでもある現役選手が子供の発熱時の対応に苦慮しているという話を聞いて、今回は女性活躍とパパの育児参加に焦点を合わせてイベントを実施することに決めました。
また、こどもスマイルムーブメント参画企業で、私たちと地域連携協定を結んでいる城北信用金庫さんも「パパの育児参加」というテーマの活動を以前から考えていたそうで、両社の想いや考えがマッチしたことも、イベントのテーマが固まる大きな要因になりました。
パートナー営業部 久保大輔さん(以下、久保):JOYCELEE株式会社さんとの連携も、取組に関する考えが同社とマッチしたことがきっかけでした。弊社はこどもスマイルムーブメントに参画したことで同社の活動を知り、その取組に共感したため、「協働できませんか?」と弊社から連絡を取る形で連携を提案しました。今回実現した2社との連携は、各社のビジョンが合致したことで生まれたと考えています。
こどもスマイルムーブメントに参画する3社が連携し、実りあるイベントへと発展
―取組としての特徴やアピールポイントはどのような点にありますか。
土居下:特徴としてまず挙げられるのは、城北信用金庫さんとJOYCELEE株式会社さんと連携し、それぞれの強みを生かしながら準備・運営を行えた点です。城北信用金庫さんからはアスリート職員4名に参加していただき、テコンドー・カヌー・フリースタイルスキーハーフパイプ・フェンシングのクイズや映像を通して子供たちが幅広い競技に触れる機会をつくることができました。JOYCELEE株式会社さんからは、医療の観点から考える子供の肌とスキンケアの知見と商品を提供していただいたことで、子供の肌に気を配る大切さやスキンケアを通じた親子のコミュニケーションについて、参加者が考える機会をつくることができました。1社だけで何かやろうとすると、できることに限界がありますが、3社が連携したことで、今回のような充実したイベントをつくりあげることができたと感じています。
加えて、「パパの育児参加」というテーマと向き合った点も特徴です。イベント開催中は子供をパパに任せたママがご家庭で休息をとるなどして、自分の時間を持つきっかけにもなりました。その点でも、パパと子供が参加できるイベントの開催には、大きな意義があったと考えています。
参加するパパも子供も、みんなが楽しめるようプログラムを企画
―どんな取組を実施していくか具体的に検討する中で、重視したこと、大切にしていたことはありますか。
阿部:重視したことは、地域に根差した取組とすることです。そのために、ベレーザのホームタウンに住む子育て世代に参加していただけるよう準備を進め、城北信用金庫さんのホールをお借りして地域に根差した場所で開催できるよう調整したり、区立保育園にチラシを張っていただいて募集を行ったりと工夫をしました。
また、大切にしていたこととして、参加されるパパと子供たちが存分に楽しめ、有意義に過ごせるようなイベント内容にすることが挙げられます。そのため、プログラムの中にはベレーザの選手と城北信金のアスリート職員が考えたアスリートとともに親子一緒に体を動かす企画や、パパとアスリートがグループになって育児について語る「パパ交流会」も入れ込みつつ、小さな子が飽きないよう企画を1時間程度に凝縮して実施することも意識しました。結果として、パパも子供も楽しめるイベントとしてまとめることができたのではないかと思います。
―参加者募集やイベント運営などで難しさを感じた点はありましたか。また、他企業・団体との連携において、苦労した点はあったのでしょうか。
土居下:コロナ禍、かつインフルエンザも流行する時期の開催だったため、感染リスクをいかに軽減させるかが難しかったです。会場は室内で、選手も小さい子供もいるという環境なので、人数設定には悩みました。検討を重ねた末、最終的には「会場に看護師さんを呼ぶ」「同伴する兄弟姉妹の人数を制限する」という対策を取って対応することにしました。
他企業・団体様との連携は、開催にあたっての想いを共有できていたからか、スムーズに進めることができたように思います。ただ1点、心残りなのは、今回連携した2社以外の企業・団体の参加につなげることが出来なかったことです。さらに多くの企業・団体様と一緒に取り組ませていただきたいと連携を模索していたのですが、今回は時間や場所の都合が合わずに見送りとなった企業・団体様もいらっしゃいました。この点は次回以降の課題です。
「父子で参加できる」点に評価の声。子供たちとの関わりも選手の励みに
―実際にイベントに参加したパパや子供たちからは、どのような声が聞かれましたか。
阿部:パパからは「パパと子供が一緒に参加できるイベントは初めてだったので、参加できて良かった」「普段はあまり子供たちと関わる時間がなく、このような機会があって嬉しい」といった声をいただきました。また、「選手と身近に接することができ、子供の記憶に残るイベントになった。今後もチームを応援したいと思った」という、チームに関心を寄せていただいた感想も多かったですね。子供たちの感想からは「サッカーボールを蹴ったり、パパの体を木登りみたいに登ったりするのが楽しかった」など、楽しんでもらえた様子が伝わってきました。
―今回の取組で感じたことや、クラブチーム内での反響について教えてください。
太田:当日の運営に携わった選手やスタッフを含め、チームとしてもとても有意義なイベントを開催できたと感じています。当日参加した選手からは「子供と触れ合う機会が持てて嬉しかった」という声もよく聞かれました。イベントを通じて小さな子供たちに夢を与えられている実感が得られたり、子供たちから応援の声をいただけたりしたことが、選手たちの励みにつながっているのではないかと思います。
―イベント参加者による記念撮影の様子
パパ向けイベントはさらに発展を。クラブ全体で子供の可能性を拓く機会をつくっていく
―現在実施されている取組をさらに改良・拡大していくなど、今後の展望やビジョンをお聞かせください。
土居下:「パパの育児参加」をテーマとした今回のイベントは、1回限りの開催で終わるのではなく、発展させながらイベントとして継続できればと考えています。全体を通して本当に良い形で実施できたと感じていますので、今後はさらに多くの参加者が集まるようなイベントに成長させていきたいです。また、他企業・団体様との連携もさらに広げられたら良いですね。
―そのほか、新たに実施を企画している取組などがあれば教えていただけますでしょうか。
阿部:次回の「WE ACTION DAY」でも子供に関連したイベントを企画検討しています。「WE ACTION DAY」は年に2回行っており、次回は2023年4月29日の開催予定です。この回ではパパ向けに限らず、もう少し広いテーマで子供たちに参加していただけるようなイベントを考えています。
土居下:東京ヴェルディ全体で子供向けイベントの開催を増やすことも検討中です。東京ヴェルディは15競技17チームを抱える総合クラブとして活動しています。このようなクラブとしての特性を生かし、子供たちに様々な競技に触れる機会や、自分自身の可能性に気づくきっかけを提供できればと構想しています。
一人ひとりが輝く社会の実現を目指して、企業や行政と連携した活動を続けていく
―最後に、ほかの企業・団体様へのメッセージをお願いいたします。
土居下:私たちも含め、WEリーグが目指すのは、一人ひとりが輝く社会の実現です。
東京ヴェルディも多様な競技チームを抱える総合型クラブの形を活かして、そういった社会の実現に貢献していきたいと考えており、今回のようなイベントを通じて、多様な生き方や夢のあり方を子供たちに知ってもらうことができれば、子供たちが成長したとき、一人ひとりがより輝く社会につながっていくのだと考えています。子供たちが伸び伸びと成長し、自分らしい生き方を見つけられる社会を目指して、東京都内の企業や行政の皆様とともに活動を続けていけたらと思いますので、ぜひお気軽に声をかけていただけたら幸いです。
―素敵なメッセージをいただき、ありがとうございました!
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