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東京都

  • 柔軟な働き方促進

掲載日:2023年2月8日

株式会社アイエスエフネット

子育て世代が安心して働ける環境づくりを通して、子供の幸せをつくる

株式会社アイエスエフネットでは、働き方の多様化や女性の活躍推進に注力した「ウィメンズカウンシル」や「ライフワークバランス相談窓口」などの取組を行っています。女性社員のキャリアやライフステージに関する悩みを相談できる「ウィメンズカウンシル」の取組を中心に、株式会社アイエスエフネットの上沖 沙恵さん、齊藤 美結さんにお話を伺いました。

株式会社アイエスエフネット 上沖 沙恵さん(左)、齊藤 美結さん(右)

ライフイベントによってキャリアが断絶されることのない働き方を実現したい

―現在実施している子供向けの取組はどのような内容でしょうか。

株式会社アイエスエフネット 齊藤 美結さん(以下、齊藤):アイエスエフネットでは、社員が安心して生き生きと働ける環境をつくることが社員の家族や子供の幸せにもつながるという考えから、働き方の多様化や女性の活躍推進に注力した社内向けの取組を行っています。
代表的な取組は、女性社員がどんな悩みでも相談できる「ウィメンズカウンシル」という窓口の設置です。妊娠・出産・育児・介護といったライフイベントに関する相談をはじめ、セクシャルハラスメントやその他各種ハラスメントについての悩み相談を受け付けています。さらには、生理など女性特有の悩み、婦人科健診の相談といった、なかなか人には相談しづらいセンシティブな部分までサポートしています。
また、女性の活躍を推進するには、男性による育児参加など、家庭の役割を担うことも重要と考えています。「妊娠・出産・育児」に関する悩みは女性のものだけではなく、男性自身も自分ごととして捉えてもらいたいとの思いから、女性の特有の悩みに関する窓口の他に、現在では性別にかかわらず働き方について相談できる「ワークライフバランス相談窓口」を別途設置しています。

―働き方を改善する取組を始めた背景、理由、きっかけについてお伺いさせてください。

株式会社アイエスエフネット 上沖 沙恵さん(以下、上沖):弊社の社長が以前から「ライフイベントによってキャリアが断絶したり、キャリアをあきらめたりする必要のない働き方を目指したい」という強い想いを持っており、社員へメッセージとして送っておりました。その想いが「働き方の多様化や女性の活躍推進へ」という社内方針につながり、具体的な取組へと発展していきました。
その第一歩として、厚生労働省の定める子育てサポート企業の認定証である「くるみんマーク」の取得を目指すことになりました。取得に向けて、まずは現場で働く女性社員の悩み、生の声を丁寧に拾い上げ、改善していく必要があると感じ、「ウィメンズカウンシル」の設置に至りました。

ウィメンズカウンシルを通じて対面相談をする様子

女性が自立して働ける環境づくりを進め、ダイバーシティ&インクルージョンを目指す

―そうした経緯で取組が始まったのですね!取組としての特徴やアピールポイントはどのような点にありますか。

齊藤:先ほどお伝えしたとおり、「ウィメンズカウンシル」では女性特有のセンシティブな相談も受けるため、カウンセリングの資格を持つ人生経験豊富な女性社員が担当しています。個人情報の守秘義務等を徹底し、社員が安心感をもって窓口を利用できるよう心がけています。また、育児休業中の社員に向けてのサポートも行っており、専用の問合せフォームから復帰等に関する相談ができる他、毎月会社の最新情報と社長からのメッセージを配信し、育児休業中でも会社とのつながりを実感してもらえるように工夫しています。
何より、「ウィメンズカウンシル」で受けた相談内容から、新たな制度を生み出していることがアピールポイントです。「ウィメンズカウンシル」から吸い上げた意見は匿名化し、課題として経営層に上げ、経営層含めて対策案を検討した上で、さらにその案を現場社員にヒアリングを行いブラッシュアップして制度にまで落とし込んでいます。実際に、「ウィメンズカウンシル」を通して、子供が18歳になるまでの期間で時短勤務ができる「ショート正社員制度」、子供が病気のときや保育園・学校の行事のときなどに利用できる「子の看護休暇・子ども行事休暇」などが制度として実装されています。

―取組を検討・実施する中で、大切にしていたこと、重視したことは何かありますでしょうか。

齊藤:女性が自立できる環境を提供し、それが社内に留まらず、女性の社会的地位向上につながっていくことが理想だと考えてきました。弊社の社員が働きやすくなることはもちろんですが、こうした取組が社会全体の価値観に少しでも影響を与え、性別や属性に関わらず誰もが安心して働ける社会、ダイバーシティ&インクルージョンが実現する社会につながってほしいと思います。

制度の充実だけでなく、制度への理解・周知にも注力していく

―取組を始めるまで、もしくは始めてから、どんなハードルや苦労にぶつかりましたか。それらにぶつかった際、どのようにして乗り越えましたか。

上沖:制度を整備・充実させても、制度自体を社員が知らないために利用されないという課題がありました。実際に、制度を知らずに社員が退職してしまった例も過去にあったため、そうしたことのないよう、制度への理解・周知にもっと力を入れなくてはいけないと考えています。
周知の方法としては、社内での動画配信、実際に制度を利用して育児休業を取得した社員のインタビューを掲載したパンフレットの配布、毎週発行の社内報での相談窓口・制度の紹介など、地道に一つ一つ行っています。
また、新しい試みとして、2022年の12月には人権週間に合わせて弊社ウェルビーイング施策をプレスリリースで発表しました。プレスリリースは本来社外向け広報になりますが、社内に対しても広報をかけることを試みました。実感として、社内外両方に活動を伝える方法として有用だと感じましたので、これからももこの方法を継続していきたいと考えています。

時短勤務を実施している女性管理職のインタビューを掲載したパンフレット

取組によって、男性社員の育休取得率が向上。女性の育休後の復職率はほぼ100%に

―実際に取組を利用した社員の方から、どのような感想や意見が寄せられていますか。

齊藤:取組を利用した社員にインタビューを行っておりますので、そちらの感想から抜粋させていただきます。
女性社員「妊娠が分かり、ウィメンズカウンシルに相談しました。妊娠初期の不安に寄り添ってもらえて、さらに今後のフローや提出書類、お祝い金の取得などについても詳しく説明してくれました。担当者の方が仕事の常駐先まで足を運んでくださり、対面で相談に乗っていただけたので大変安心感があり、助かりました」
育児休業を取得した男性社員「育児休業の取得を会社から勧めてもらったことで、子供の成長を間近で感じることができ、本当に良かったです。また、妻の復職にも貢献でき、お互いの心の余裕ができたことで家庭が明るくなったように感じています」
こうした感想をいただけると取組の成果を実感しますし、感想・意見から新たな制度づくりにつながることもあるため、今後もこうした声を丁寧に拾っていきたいと思います。

―取組を実施する前と後で、本取組に対する社内の反応に変化はありましたか。

上沖:目に見える変化としては、男性社員の2017年には9.1%だった育児休業取得率(※)が2021年には約90.9%に向上したことと、育児休業を取得した女性社員の復職率がほぼ100%まで上昇したことが挙げられます。復職率については、育児休業中の社員に毎月コンタクトを取り、復帰の時期や復帰後の働き方、部署などの希望についてヒアリングを行い、スムーズに復帰してもらえるように配慮しているのですが、この取組が成果につながったのだと思います。
「男性も育児休業を取るのも、育児休業後の女性社員が復職するのも自然なこと」というカルチャーが社内に醸成されてきたことが、非常に大きな変化だと感じています。
※育児に伴う休暇・休業の取得率

育児休業を取得した男性部長のインタビューを掲載したパンフレット

今後は「Femtech(フェムテック)」や外部講師によるセミナーも導入していきたい

―現在実施されている取組をさらに改良、拡大していく等、今後の展望やビジョンをお伺いさせていただけますか。

上沖:「ウィメンズカウンシル」「ワークライフバランス相談窓口」に続き、2021年には「女性活躍推進委員会」を立ち上げました。委員会で毎月会社に対して施策を提言しているので、今後はその中から新しい制度や取組をどんどん発信していきたいと考えています。
また、現在検討しているのが、女性のライフステージや身体の課題を解決できるテクノロジー製品・サービス「Femtech(フェムテック)」の導入です。具体的には、外部サービスを利用して、自社内で内製化できないような福利厚生も社員がアクセスできるようにするシステムの導入を検討しています。また、外部講師を招いて、男女問わずに「女性のカラダの仕組みについて知るセミナー」等を展開し、相互尊重が促されるような仕掛けをしていきたいと考えています。

社員が安心して働ける環境をつくることが、社員の家族や子供たちの幸せにつながる

―最後に、働く子育て世代やほかの企業・団体の皆様へのメッセージをお願いいたします。

齊藤:働く子育て世代の皆様へは、「お父さんやお母さんが安心して働ける環境をつくることは、家族が一緒にいられる時間を十分に確保し、安心して生活できることにつながると思いますので、そのお手伝いができるように、これからも働きやすい環境づくりに尽力してまいります。」とお伝えしたいです。
企業・団体の皆様へは、「アイエスエフネットグループは、子育てや結婚などのライフイベントによってキャリアが断絶されることがないよう、育児休業をはじめとした制度の拡充など、多様な働き方が可能な環境づくりに努めています。こうした考え、施策に賛同いただける企業・団体様と連携し、社会全体で働き方の多様化や女性の活躍推進に取り組んでいきたいと考えています。何か連携できることがございましたら、是非お声掛けください」

―素敵なメッセージをいただき、ありがとうございました!

社員が安心して働ける環境を実現するために、「ウィメンズカウンシル」や「ライフワークバランス相談窓口」を設置し、女性の活躍推進と多様な働き方の実現に貢献する株式会社アイエスエフネットの取組は、「ライフイベントによってキャリアが断絶されることがないように」という社会課題を克服する意義のある活動です。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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