掲載日:2025年12月18日
一般社団法人日本ボッチャ協会
パラスポーツの裏側、のぞいてみた!日本ボッチャ協会で未来を創る仕事体験
パラリンピックの正式種目であり、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめるスポーツ「ボッチャ」。そんなボッチャは、日本はもちろん、世界でも競技人口が増え続けている、今最も注目されているスポーツの一つです。
そのボッチャ競技の国内団体を統括し、選手の強化・大会の開催・普及活動などを行っているのが、日本ボッチャ協会です。同協会はボッチャを通じて、障がいの有無にかかわらず、誰もが共に生きる「インクルーシブな社会」の実現に取り組んでいます。
今回は、「全国ボッチャ選抜甲子園大会」の運営業務に参加し、インクルーシブ社会やボッチャ競技の面白さを体感する職業体験を開催。「ボッチャとは?」「インクルーシブな社会とは?」「パラスポーツを広めるためには?」そんな新しい発見だらけの2日間をのぞいてみました。
【職業体験のスケジュール】
●1日目
①ボッチャ甲子園の開会式を見学
②大会の運営サポートを体験
③ボッチャ競技を学ぶ
●2日目
①ボッチャの普及状況、協会の取組を学ぶ
②ボッチャ普及のためのアイデアを提案
ボッチャをもっと知ってもらうためには?ボッチャの未来や可能性を、協会の皆さんと考えました!
ひがしんアリーナ・パラスポーツサポートセンターで、8月7日・8日に実施された今回の体験プログラム。ボッチャ甲子園の運営体験やボッチャ競技の体験、協会代表から伺った協会の取組みの説明などを通して、ボッチャの未来を考えてみました!
1日目
職業体験1日目は、全国ボッチャ選抜甲子園大会が行われる「ひがしんアリーナ」で実施されました。プログラムは、開会式を見学し、大会の雰囲気を味わうところからスタート。スポーツ大会の開会式を初めて生で見たという中高生。「こんなに盛り上がっているんだ!」と、皆さん驚きと興奮を感じていました。
その後は、いよいよ大会運営の現場へ。参加チームのアテンドや競技運営の補助など、選手たちをサポートする重要な役割を体験しました。試合中も、アテンドしたチームのすぐそばで応援し、ボッチャの迫力と奥深さを肌で感じました。試合後には、選手に「お疲れ様でした!」と直接声をかけ、選手を裏から支える「やりがい」を実感することができたようです。
1日目のプログラムの最後には、ボッチャの基本ルールや戦略などのミニ講義を受け、中高生がボッチャを体験。実際にプレーすることで、ボッチャの楽しさや難しさを体験し、「もっとやりたい!」「学校の友達ともやってみたい!」と、ボッチャへの興味を深めることができたようでした。
2日目
2日目は、日本ボッチャ協会含めてパラスポーツ団体の共同オフィスがある日本財団パラスポーツサポートセンターで実施。1日目の職業体験をふまえて、より深くボッチャの普及について考えました。
まずは、協会理事、事務局長、普及振興部長から、ボッチャ競技やパラスポーツの現状、協会運営、普及活動について説明を受け、「こんな課題があるんだ」「協会運営の裏側はこうなっているんだ」と、参加者の皆さんは新しい発見ができたようでした。
その後は、ディスカッションや個人ワークを実施。「競技人口を増やすにはどうすれば良いか?」「観客を増やすにはどうすれば良いか?」「効果的なPRをするために、誰に、どのような発信をすれば良いか?」の3つのテーマについて考えました。
「ボッチャセットを公園に設置し、実際にプレーしてもらうことでボッチャを広めよう!」「学校にチラシを配って観客を集めよう!」「TVやSNSを通じて、効果的にボッチャをPRしよう!」など、1日目の体験をふまえて、中高生一人ひとりが自分らしいアイデアを発表し、職業体験は終了しました。
一般社団法人日本ボッチャ協会の職業体験に参加した中高生の声
職業体験終了後に、今回のプログラムに参加した中高生3人に感想を伺いしました。
─職業体験で一番思い出に残っていることを教えてください。
Aさん:大会運営やチームのアテンドなど、直接ボッチャに関わり、ボッチャの迫力を味わえたことが印象的でした。
Bさん:ボッチャをやってみて、ボッチャの楽しさや奥深さを知れたことです。
Cさん:ボッチャの歴史やパラリンピックの仕組みなどを、協会の方から直接聞けたことが印象に残っています。
─1日目を終えた後、自宅に帰ってご家族と職業体験について話しましたか?
Aさん:ボッチャを実際にやってみて、楽しかったことや難しかったことを家族に伝えました!
Bさん:今まではボッチャを知らなかった家族も、ボッチャの魅力を伝えたら興味を持ってくれました。
Cさん:家族も元々ボッチャについて関心があり、大会の様子などを伝えたら「来年は大会を見に行ってみようかな」と言ってくれました。
─職業体験に参加して良かったことを教えてください。
Aさん:学校では学べないボッチャやパラリンピックのことを、体験をふまえながら理解できたことが良かったです。
Bさん:参加前は、ボッチャは障がいがある方向けのスポーツかと思っていましたが、今回の体験を通じて誰でも楽しめることを知り、自分もやってみようと考えが変わって良かったです。
Cさん:ボッチャについて、知るだけでなく、課題があることや課題解決の方法なども考えることができ、良い体験になりました。
─職業体験を通じて学んだことを教えてください。
Aさん:ボッチャやパラスポーツの仕組みや裏側、現状の課題などを学ぶことができました。その課題を解決する方法も実際に考え、協会の方々からのフィードバックも貰うことができたため、新しい知識や考え方を得ることができました。
Bさん:実際に自分もボッチャをやってみて、誰でもできるボッチャの魅力を学ぶことができました。また、「ボッチャをどう広めれば良いか?」と普及方法についても考えることができ、PRや宣伝の難しさを実感することができました。
Cさん:ボッチャ競技やパラリンピックの障がい区分を初めて知ることができ、改めて障がい者への理解を深めることができました。
─今後、どんな人が職業体験に参加すると良いと思いますか?
Aさん:少しでも職業体験に興味がある人なら、ぜひ参加した方が良いと思います!私も参加するまでは不安もありましたが、勇気を出して参加したことで、今までにない発見や新しい体験をすることができました。職業体験は貴重なチャンスだと思うので、一歩勇気を出してぜひ飛び込んでみてほしいと思います。
Bさん:仕事のことを知ってみたい、体験してみたい人は参加した方が良いと思います。体験に参加することで、仕事のやりがいや裏側、必要な能力などを実際に肌で感じることができるので、興味のある仕事にはどんどん参加すると良いと思います!
Cさん:やってみたい仕事、裏側を知ってみたい仕事がある人は、参加すると良いと思います。私は元々ボッチャに興味があったので今回参加しましたが、2日間を通して貴重な体験をすることができました。この体験は、中高生の「今」しかできない経験だと思うので、興味がある人はぜひ参加してほしいと思います。
未来を創っていく中高生と共に、ボッチャの未来を考えたい~日本ボッチャ協会~
一般社団法人設立から10年と、まだまだ成長途中の日本ボッチャ協会。今後のボッチャの未来、そしてパラスポーツの未来を考えた時に、まずは中高生にボッチャの面白さを知ってほしいと考えました。それと同時に、私たちが抱えている普及活動の課題について、中高生の皆さんから新鮮で率直なご意見をいただきたいと考え、今回の職業体験事業に参加しました。
プログラムでは、参加者の皆さんには難しかったかもしれないワークをしていただきましたが、皆さんのアイデアには本当に驚かされました。ボッチャの普及活動を考えるワークでは、SNSやYouTubeの活用、協会公式キャラクター「ボッチャマン」のPRなど、皆さんの柔軟で新鮮なアイデアは、今後のボッチャの未来を考えるうえで大きなヒントとなりました。
三浦事務局長、新井普及振興部長(左から)へ取材を実施しました。】
私たち日本ボッチャ協会は、まだまだ発展途上の組織です。協会全員が一致団結し、目標の達成に向けて活動している真っ只中。そんな私たちの最大の目標は、「ボッチャをパラリンピック競技からオリンピック競技にすること」です。障がいの有無にかかわらず誰もが共に競い合えるボッチャの魅力を日本から発信し、「インクルーシブな社会」を実現したいと考えています。
中高生の皆さんには、ぜひボッチャを知ってみて、どんどん広めてほしいと考えています。また、今後色々な経験をする中で自分の「好き」や「面白い」を見つけてほしいと考えています。その気持ちは、物事を続けていくうえで大きな原動力となりますので、色々な経験をして、自分の可能性を大きく広げてくださいね。
記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。
