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東京都

コラボレーション活用事例

掲載日:2026年3月26日

株式会社おりおり×合同会社Flowence

令和7年度こどもスマイルムーブメント大賞・子育て応援部門で優秀賞を受賞した株式会社おりおりと、202510月創業のスタートアップ、合同会社Flowenceによるコラボレーションが実現しました。こどもスマイルムーブメントの交流会「MEET UP!」を通じて実現した「親子でつくる巨大米粉アメリカンクッキー」体験イベントについて、内容や実施経緯、反響などお話を伺いました。


(左)Flowence 代表 河畑さん (右)おりおり 代表取締役 堀さん

大人も見たことのない巨大クッキー!? 親子で楽しめるコラボイベントが実現

 

――両者の出会いからコラボレーションに至るまでの経緯について教えてください。

 Flowence 代表 河畑さん(以下、河畑):実は、東京都主催の女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」で、おりおりさんの存在を知っていました。複数の乳幼児家族がひとつの大きな家族のように助け合いながら楽しむ、旅行体験「OLITABI」に強い共感を覚え、自然とファンになり、その過程で堀さんとも知り合いました。
当時は、AIICTを活用した保育園向けのSaaS事業の立ち上げを検討しており、堀さんにその相談にも乗っていただいていました。一方で、事業性の視点から方向転換を模索する中で、「米粉を活用したお菓子づくり」へと軸を移し始めていたタイミングでもありました。そんな矢先、こどもスマイルムーブメントへの参画を目指していたところ、おりおりさんがこどもスマイルムーブメント大賞を受賞されたことから、「交流会で再会しましょう」と連絡をしたのが今回のコラボレーションの出発点です。



おりおり 代表取締役 堀さん(以下、堀):私たちも202310月創業とまだ若い企業ですが、受賞をきっかけに、親和性の高い企業・団体との出会いをさらに増やしていけたらと考えていました。そんな中でFlowenceさんの参画を知り、再会を楽しみに交流会に参加しました。
交流会で事業の方針転換を聞いた時は驚きましたが、「親も子も幸せになるための支援事業をしたい」という軸は一貫していると感じましたし、旅よりも気軽に参加できる飲食イベントはOLITABIユーザーさんとの相性もいいはず。そこからは自然とコラボレーションのアイデアが湧きました。


河畑:ちょうど米粉クッキーキットの開発を進めており、モニター調査を実施したいと考えていたものの、なかなかチャンスがありませんでした。このような時に堀さんから「OLITABIの常連さんたちにモニターしてもらうのはどうか」とご提案いただきました。
初めての検証はなるべくリスクを抑えたい。その点、すでに信頼関係のあるコミュニティの中で実施できるのは非常に理想的で、米粉クッキーの開発とモニター調査が同時にできる場所を探していた私たちにとって、 おりおりさんの持つ「OLITABI」の常連さんというリソースと乳幼児に関する知見は、コラボレーション相手としてまさに渡りに船でしたね。

 

――今回の体験イベントの企画内容はどのように練っていったのでしょうか。

河畑:米粉はグルテンフリーで安心して食べられる一方、調理工程そのものは決して簡単ではありません。特に、子供を見守りながら一緒に作業する親にとっては、粉が飛び散る工程は負担になります。
そこで、あらかじめ材料をボウルにミックスした状態で配布したり、説明は短く直感的にするなど、「親子同時進行でも成立する設計」にこだわりました。こうした点については、乳幼児に関する知見が豊富な堀さんにとにかくたくさんアドバイスをもらいましたね。

 

堀:発案から実施まで2週間という短い期間でしたが、その間に当日のシミュレーションを何度も重ね、綿密に運営設計を詰めていきました。単発で終わらせない継続的なコラボレーションとすることを考えていたため、一度でも失敗が起きると次に響きます。そのため、リスクは事前に潰し切る必要があるので、気になる点はどんなに細かくても率直に伝えました。
もちろん、そうしたリスクマネージメントだけでなく、親も楽しめるような「ワオ!」なアイデアもたくさん出し合いました。企画の骨子になったのは、「大人も見たことのないような巨大なクッキー」と「焼きたてのクッキーを共有する体験」です。



河畑:焼きたての香りには、いわゆる“しあわせホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌を促す作用があるといわれています。子供たちが自分の手で捏ねて、自由にトッピングを選び、焼き上がりの香りを楽しみ、出来上がった大きなクッキーを頬張る。この一連の体験そのものが、親子の記憶に残るのではないかと考えました。
また、焼き上がりまでの待ち時間の工夫として、色が変化するハーブティーを堀さんが持ってきてくれていて、現場での柔軟な対応力に感動しました。コラボレーションを通じて、とても学びになった部分のひとつでしたね。

 

堀:子供は少しでも時間が空くと集中が途切れてしまいます。当日使わない可能性があることも前提に、先ほどのハーブティーだけでなく膨らませるおもちゃといった“間を埋める仕掛け”を用意していました。結果的にそれらが役に立ってよかったです。
両者に共通しているのは「親の笑顔が子供の幸せをつくる」という考え方です。親からすると、子供を任せられる、自分が100%見ていなくても大丈夫という環境があって初めて、親自身も楽しむことができます。複数の親で複数の子供を見守るOLITABIの常連さんたちのご協力あってこそでしたが、心から楽しめる空間づくりにこだわって良かったなと感じました。



             お互いの目が届きやすく、一体感が生まれやすい大きな円卓のある会場をセレクトしたのも、こだわりのひとつ

嫌がられそうなことも隠さず伝える。コラボレーションの持続的な発展の秘訣

 

――イベントの反響や手応えはいかがでしたか?

河畑:まず何より、みなさんの笑顔をたくさん見ることができて、「おいしい」「楽しい」のお声をたくさんいただけたことで安心しました。また、「すごいねー!」と子供を褒める親御さんの声が多く聞けたのも嬉しかったですね。
今日本では、子供の自己肯定感が先進国の中で最低水準にあるという話もある中で、今回のイベントを通じて「子供を褒める動線づくり」の一助になれたらという話を事前におりおりさんともしていたので、様々な工夫を凝らしてくださり本当に感謝しています。

 

堀:おりおりとしても、衛生管理などのハードルがある飲食イベントができましたし、ユーザーさんとの新しい接点を増やせたので大成功でした。イベント後すぐに次の企画の話が自然に生まれたのもよかったですね。
こうしたコラボイベントを続けていくことで運営ノウハウなどももっとシェアできていくと思いますし、ゆくゆくは私が不在でもFlowenceさんとOLITABIメンバーで気軽に飲食イベントを実施する、といった協働もできるようになるかとイメージしています。

 

河畑:実際にみなさんと一緒につくることで、後片付けをラクにするためのヒントを豊富に得られましたし、開発中のお菓子づくりキットの方向性が間違っていないことを確認できたのも大きな収穫でした。おりおりさんの知見や育まれているコミュニティのすごさに直に触れられたことで、今後のイベントやワークショップの展望も開けたので、ぜひコラボレーションを継続して発展させていきたいです。

 

――コラボレーションが成功したポイントはどのあたりにあったと思われますか?

 堀:お互いに「どうすれば相手の役に立てるか」というギブし合う気持ちを持てていたことですね。そして、「嫌がられるかもしれないけど言わないといけないこと」を率直に言い合える関係性を築けていたことだと思います。そこが単発で終わらないコラボレーションになっていくのではと、改めて実感しました。

 

河畑:実はお菓子づくり事業に踏み出す前に、IT領域でおりおりさんのお力になれないかと申し出たことがありました。その時堀さんには「起業するのであれば、いつかコラボや協業のような形で関われる方が理想的じゃない?」と仰っていただいて。乳幼児家族向けビジネスの先輩である堀さんに、ずっと心の本音に寄り添ってもらうようなコミュニケーションをしてもらえたことが大きなモチベーションになりました。
私も今後もギブの精神を大切にして、こどもスマイルムーブメントでの出会いを実りあるものにしていけたらと思います。


――最後に、コラボレーションを検討中の企業・団体の方に向けてメッセージをお願いします。

 河畑:今回のコラボレーションを通じて、モニター調査としての成果だけでなく、おりおりさんから多くの知見をシェアしてもらい、そこから新しい展望も見えてきました。今後も「ありがとう」をいただけるようなコラボレーションをもっと増やしていきたいですし、こうした記事を通じて同じようなコラボ初心者の企業のご参考になればと思います。

 

堀:私たちも同じく、こどもスマイルムーブメントの盛り上がりにもっと貢献していけたらと思いますね。こんな企業と関われたらいいな、という企業と実際に出会えて、コラボレーションの機会を得られるのは本当にありがたいことで、企業としてできることも広がっていっています。
今もそうした出会いから多くのコラボレーションが進んでいると思いますが、私たちも並行していくつか楽しみなコラボレーションが進んでおり、こどもスマイルムーブメントにとても感謝しています。今後も一緒に、“こどもスマイルムーブメント”を盛り上げていきましょう!

 

――ありがとうございました。




記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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