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東京都

コラボレーション活用事例

掲載日:2026年9月10日

一般社団法人kiki×株式会社ネミエル

睡眠に関する知見を持つ株式会社ネミエルと、子供も大人も自由に集う「きっかけ家」を運営する一般社団法人kiki。異なる強みを持つ2者が「こどもスマイルムーブメントプラットフォーム(KSMP)」で出会い、わずか1カ月で、睡眠について楽しく学ぶイベントを実現しました。子供たちの反応は、ネミエルにとっては今後のサービス開発のヒントに、kikiにとっては企業との協働に向けた手応えにつながりました。短期間でコラボレーションを形にしたプロセスと、互いの知見を掛け合わせたことで生まれた成果や今後の展望について伺いました。


(左)ネミエル 代表取締役CEO 松本さん (右)kiki 代表理事 前田さん


KSMPで出会う、つながる。睡眠を楽しく学ぶコラボイベントが実現


――今回のコラボレーションに至った経緯を教えてください
 

株式会社ネミエル 代表取締役CEO 松本さん(以下、松本):私たちは新規事業として「子供の睡眠」に着目してアプリを開発し、ちょうどローンチしたタイミングでした。今後、取り組みをどのように広げていくかを考える中で、子供たちが集まるオフラインの場所で、直接お話をする機会をつくりたいと思っていました。


ただ、実際にどうアプローチすればいいのかわからない。そんな時に、こどもスマイルムーブメントプラットフォーム(KSMP)でkikiさんの募集を見つけました。そこですぐに「睡眠をテーマに、何かコンテンツを提供できれば」と連絡したのが始まりです



一般社団法人kiki 代表理事 前田さん(以下、前田):私たちは子供たちが自由に集まって過ごしながら、様々なきっかけと出会える場「きっかけ家」を運営しています。こどもスマイルムーブメントに登録したばかりだった私たちは、事務局から「登録するだけではなく、ぜひ活用していきましょう」とKSMPを紹介していただき、募集を出しました。

きっかけ家では、夏休みの平日になると、子供たちがオープンの朝8時からクローズの夕方5時まで、ゲームをしたり宿題をしたり、それぞれ好きなことをして自由に過ごします。私たちは、そうした時間の中で「何かのきっかけを与える」ことを大切にしています。そこで、みんなで学ぶ機会もつくってみたいと思い、「楽しく学べるコンテンツ」をキーワードに募集を出したのです。すると、すぐにネミエルさんから応募があり、「募集を出しておいてよかった!」と思いましたね

――KSMPを実際に使ってみて、どのような印象でしたか?

松本:もともと、KSMPは募集を出している参画企業・団体とつながるための仕組みだと考えていたので、実際に使ってみてもイメージ通りでした。kikiさんの募集内容はわかりやすく、掲載されていた写真の雰囲気からも、どのようなコラボレーションができそうか具体的に思い描くことができました。

前田:募集ページをつくる際には、事務局にもサポートしていただきました。最初は応募企業の間口を狭めないよう、かなり抽象的な文章を書いていたのですが、「遊んだり学んだりできるコンテンツを募集」というフレーズを軸に、希望内容を整理していただきました。

松本:「学ぶ」という言葉が入っていたのは、応募する側としてもわかりやすかったですね。睡眠は生きていく上で欠かせない大切なことなのに、改めて学ぶ機会は意外と少ないため、「興味を持ってもらえるかも」と申し出るきっかけにもなりました


――応募から打ち合わせ、イベントの開催までは、どのように進んだのでしょうか

松本:プラットフォーム上で応募すると、すぐに返信をいただき、約1週間後にはオンラインで打ち合わせをしました。そこから約1カ月で、イベントの開催に至りました。kikiさんから「夏休みのほうが人が集まりやすいはず」と提案していただいたことも、実施時期をスムーズに決める上で参考になりました。


――応募の時点から、お互いの希望や特徴をわかり合えていたことで、コミュニケーションが円滑に進んだわけですね。

前田:事務局にサポートしてもらった効果を実感しました。何より、睡眠という私たちにとって新鮮なテーマでコンタクトしてもらえたのが、想定以上の出会いでしたね。私を含め、きっかけ家のスタッフ3名はみな教員免許を持っていますが、専門分野は技術、美術、農学とそれぞれ異なります。自分たちにはない分野の専門家だからこそできる内容を提供できるのは、子供たちにとっても新しい体験になると思いました。

松本:一方で、私たちは子供たちと直接触れ合う機会があまりありません。kikiさんには、普段から子供たちと接していることで蓄積されてきた知見もある。そこを頼りながら、子供たちに届くコンテンツを一緒につくっていきました。



――準備の中で、具体的にどのような工夫をされたのでしょうか?

松本:普段は社会人や保護者に向けて、基礎研究や臨床などの専門的な話をすることが多いため、「子供に何を、どのように伝えるか」はすごく悩みました。

まず、子供たちが盛り上がりやすいクイズ形式にし、ドラフトをkikiさんに見てもらいました。すると、「小学1年生には難しい」「文章が長い」「イラストがあったほうがいい」といったアドバイスをいただいて修正を加えていきました。

前田:ちょうど夏休みで子供たちの宿題に付き合っていたため、どのくらいの文章なら読めるのかを実感していたのです。普段から教材をつくったり、クイズ大会を開いたりしていることもあり、子供たちが参加しやすい言葉や表現については、私たちの経験を活かせたと思います。

松本:そうして文章は極力少なくし、漢字もひらがなに変えていきました。また、社会課題として睡眠の大切さを伝えるよりも、自分の身体で起きていることとして知ってもらうほうが、子供たちにはわかりやすい。kikiさんの視点が入ったことで、プログラムとしてもスッキリして正解でした。

前田:教育は身近なこととして自分事にできないと、子供にはなかなか理解しにくいものです。だから「寝ている時も実は目が動いている」といった、自分の身体に関係する話は、子供たちも興味を持ちやすかったと思います。


子供たちの反応から得たものとは。継続的なコラボレーションを生む知見の掛け合わせ


――イベント当日はどのような様子でしたか?
 

松本:実は、子供たちだけを対象にインタラクティブ形式で実施するのは初めてでした。どのくらい盛り上がるのか、クイズを通じて対話が生まれるのか、直前まで心配していましたが、みんな積極的に参加してくれたので安心しました。

前田:子供たちに睡眠の話をするのが初めてだったと、イベントが終わってから聞いてびっくりしました。すごく慣れているように見えましたし、身近でありながら知的好奇心を刺激する問題設定もさすがでした。

 

――当日はクイズだけでなく、チーム戦やグループワークも行われました。これはどのように決まっていったのでしょうか?

松本:最初から、私がすべてを提案したわけではありません。クイズのバリエーションは考えていたものの、果たしてクイズだけでいいのかという迷いもありました。kikiさんと相談していく中で、チーム戦やグループワークのアイデアをいただいたのです。

 

前田:グループワークがあると、子供同士のインタラクティブなコミュニケーションが生まれます。さらに、そうしたコミュニケーションが自然に生まれるよう、会場はあえて自由席にしました。子供たちは学年に関係なく仲のいい子と座るので、そのままチームに分けたほうが話しやすく、結果的に学年などの属性もばらけやすくなります。

 

また、イベント開始前には、内容を聞いた小学5年生の子が「チーム戦なら、回答カードがあったらいいんじゃない?」「チームは色で分けたらいいんじゃない?」などアイデアを出してくれて、その場で道具もつくってくれました。子供たち自身がイベントを盛り上げようとしてくれたこともうれしかったですね。


松本:普段から子供たちとコミュニケーションを取って自然なコミュニティを育んでいるからこそ、どうすれば子供たちが自然体で参加できるか、イベントを成功させる要点を理解されています。実際にきっかけ家に来てみて、そうした「場づくり」の知見もすごく勉強になりました。

――睡眠をテーマにしたイベントを行い、きっかけ家としてはどのような成果がありましたか?

前田:睡眠は重要だとわかっていながらも、向き合う機会はそう多くありません。子供たちが「レム睡眠」「ノンレム睡眠」について楽しく理解を深めたり、適正な睡眠時間についてチームメイトと真剣に話し合ったりしている姿を見て、専門的な知識でも、伝え方を工夫すれば学びにつながることを実感しました。

アンケートにも、「勉強になった」「クイズが楽しかった」といった声が多く寄せられ、知らなかったことを知る楽しさを、私たちも改めて感じましたね。

――参加した子供たち同士の交流という面では、いかがでしたか?

前田:普段のイベントとは少し違うテーマだったこともあり、普段あまり話さない子たち同士での会話も生まれました。また、イベントに興味を持って、初めてきっかけ家に来てくれた子もいました。グループワークを通じて一緒に相談しながら答えを考えたことが、新しい人と出会うきっかけにもなったと思います。

松本:私も子供たちの反応を直接見たことで、アプリ上のフィードバックではもう少し柔らかい表現にしたほうがいいなど、多くの気づきがありました。

どの程度の内容なら理解してもらえるのか、どこに興味を持ってくれるのかは、実際に接してみないとわかりません。そういう意味でも、今回の経験は今後のサービスづくりにもつながるものになりました。

前田:私たちにとっても、企業とコラボレーションをしてイベントを行うのは初めてでした。お互いの目的が明確だったため、やり取りもスムーズに進みましたし、この成功体験を得られたことは、今後KSMPを活用していく上で大きな成果だったと思います。

松本:私たちとしても、こうした機会を続けていきたいです。今回はクイズ大会でしたが、今後は子供たちにアプリを体験してもらう会などもできたら面白いですね。

前田:ぜひお願いします。きっかけ家は、何かを「やりなさい」と言う場所ではなく、きっかけを与える場所です。企業の方も、「これを子供たちに使ってほしい」「こんなことを知ってほしい」というものがあれば、ぜひKSMPを通じて連絡してもらえたらと思います。

――最後に、KSMPを使ってみたい企業・団体の方へメッセージをお願いします。

松本:今回、kikiさんとのコラボレーションを成功させることができましたが、最初の応募の時には、必ず引き受けてもらえると確信があったわけではありませんでした。ただ、こどもスマイルムーブメントに参加する企業や団体には、子供たちのために何かをしたいという共通の思いがあるはずです。そう考えてポジティブに取り組んだことが第一歩だったと感じます。

“何か気になる募集があったら、まずは話しかけてみよう”というくらいの気持ちで、気軽に利用してみるのがいいと思います。

前田:私たちにとっても、募集を出してネミエルさんが声をかけてくださったことから、思いがけない新しいイベントが生まれました。こうした「想像を超える出会い」が生まれるのも、KSMPのメリットだと思います。

募集ページをつくるのは少し時間がかかるかもしれませんが、事務局のサポートも受けられます。やりたいことを言葉にして発信することで、新しい出会いにつながるかもしれません。今回のような出会いが、KSMPを通じてもっと増えていくといいなと思います。

――ありがとうございました。

記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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