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NPO法人エンツリー

Tel :042-319-9703(府中市市民活動センタープラッツ)
HP : https://www.npo-entree.org/npo-en-tree/(外部リンク)

掲載日:2023年3月14日

子供たちに「異年齢交流の楽しさ・大切さ」を伝えるとともに、ママ・パパの子育てに寄り添いたい

2006年より「女性の様々な社会参加」を支援する団体として活動しているNPO法人エンツリーでは、親子つどいの広場「CacheCache(カシュカシュ)」(八王子市)や「市民活動センタープラッツ(以下、プラッツ)」(府中市)の運営を通じて、子供たちが異年齢交流を楽しめる機会の提供や、ママ・パパが元気になる場所づくりにも尽力しています。それぞれの取組内容や今後の展望などについて、NPO法人エンツリー 理事長の吉田恭子さんにお話を伺いました。

※NPO法人エンツリー とは
行政、企業などとの協働による男女共同参画、子育て支援、地域活性化、市民活動支援、創業支援などを主な柱に活動。

<沿革>
2006年 任意団体設立
2008年NPO法人設立、八王子市親子つどいの広場堀之内CacheCache 運営受託
2017年 府中市市民活動センタープラッツ 指定管理者


NPO法人エンツリー 理事長 吉田恭子さん

子供だけではなくママもパパも、家族全員が笑顔になれる場所づくりを目指す

―現在実施している子供向けの取組はどのような内容ですか。

NPO法人エンツリー理事長 吉田恭子さん(以下、吉田):NPO法人エンツリーでは、主に八王子市と府中市の2ヶ所を拠点に子供やママ・パパ向けの子育て支援に関する取組を行っています。
八王子市においては、市からの受託によって「親子つどいの広場堀之内 CacheCache」を運営しています。具体的には3歳までの乳幼児と保護者を対象とした広場で、2名以上の職員が常駐していて子供と一緒に遊んだり、ママ・パパの育児相談や交流機会等の提供を行っています。
また、府中市においては「プラッツ」の中にあるキッズスペースを活用して、市民活動団体主催のミニイベントを実施したり、保育サポーターを配置して交流のお手伝いをしたりと、参加者の方々が繋がれるような取組を実施しています。また、年に一度の「府中市民協働まつり(以下、まつり)」では、2022年度も子供から高齢者まで様々な世代の交流が生まれる取組を実施しました。
そのほかにも、小学校から大学まで様々な学校から、職業体験の受け入れ依頼や職員派遣依頼などを受け付けています。

―子供向けの取組を始めた背景、理由、きっかけについてお伺いさせてください。

吉田:エンツリーではもともと結婚・子育て後の女性の社会参加復帰を支援する活動を行っていたのですが、その中でいわゆる「孤育て」(孤立した育児)のプレッシャーに押しつぶされそうなママたちを何人も見てきました。「ママも子供も笑顔でいるためには、パパが育児に関われる支援、また地域のおじちゃん、おばちゃんも巻き込んだ子育て支援が欠かせない」と痛感したことが子供向けの取組を始めたきっかけです。そんな折にちょうど八王子市で「親子つどいの広場堀之内」の受託団体を募集していたため、そこに手を挙げて2008年より運営を開始しました。運営のコンセプトは、『ママが笑顔になる広場』です。近頃は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、人数制限を設けながらの時期もありましたが、多い日では親子10組を超える参加があります。
また、2017年より府中市にある「プラッツ」を指定管理という形で受託しており、その中のキッズスペースはエンツリーが運営する以上、単なる休憩スペースではなく、保護者の方々の交流や社会参加を後押しする場にしたいと考えています。


親子つどいの広場堀之内 CacheCache

子供たち自身の「やりたい」を尊重しながら、ママ・パパの悩みも親身にサポート

―取組としての特徴やアピールポイントはどのような点にありますか。

吉田:子供向けの取組として最も力を入れているのが、「プラッツ」で年に一度開催される「まつり」です。地域コミュニティの活性化を目指す企業・団体がブースを設けて活動の紹介を行う、いわば『市民活動団体の文化祭』のようなイベントです。エンツリーとしては他の企業・団体と連携して実行委員会を結成し、2022年度においては主に「こどものひろば」や「SDGsポイントラリー」といった子供向けイベントを開催しました。
「こどものひろば」は、0~6歳までの子供が小中学生と一緒に遊べる広場として企画・運営したブースです。子育て関連の4団体が参画し、小中学生と一緒にプランを立てて「リトルおもちゃコンサルタントと一緒に遊ぼう」「こどもリズム体操インストラクターと楽しく踊ろう」「赤ちゃんマイスターと手あそび・読み聞かせを楽しもう」の3つの取組を実施しました。小中学生の子供たちは事前にそれぞれの内容を体験してスキルを身に付け、当日に赤ちゃんや年下の子供たちに教えるというプログラムです。「どうしたら上手に教えられるのか」「どうしたら赤ちゃんたちに喜んでもらえるのか」といったことを、団体からのアドバイスを参考にしながら主体的に考え、一生懸命取り組む子供たちの姿が印象的でした。
また、「SDGsポイントラリー」では、単純にブースを回ってスタンプを集めるのではなく、ブースでの交流を通じて団体の活動とSDGsについての知識を深められるように意識しながら企画・運営しました。具体的には、各団体の「自分たちの活動はSDGsのうち〇番と〇番が該当します」といったプログラムを作成し、子供たちはその内容をチェックしながらブースを回ってスタンプのコンプリートを目指す、というイベントです。その際に、団体からの「5番のSDGsってどんなことか知っているかな?おじさんたちはこういうことが気になるからこの活動をしているんだよ」「君たちも、お家や学校でこんな風に工夫してみてね」などといった声掛けにより、子供たちは自然とSDGsに関する知識を深められたのではと思います。景品は市内の企業・団体からのご寄附で用意していたのですが、2日目のお昼頃には景品がなくなりかけるほどの大盛況でした。
さらに、出展団体が企画した「世界の”ことば”で遊ぼう」では、子供たちは異国の衣装を着用しながら「自分たちの当たり前は当たり前じゃない」ということを体感してくれていたように感じました。

―単に子供たちに答えを与えるのではなく、子供たち自身が考え・多様な答えを出すことができるようなカリキュラムを提供しているのですね!具体的にどんな取組を実施していくか検討する中で、大切にしていたこと、重視したことは何かありますか。

吉田:子供たち自身の「やりたい!」「できる!」といった気持ちを尊重するよう心掛けています。「まつり」では、市民活動団体の方々に子供たちへの対応をお願いし、子供たち自身が何をしたいのか、何ができるのかを一緒に考えていただいて、その内容の具現化を目指しました。
また、「ほっとできる空間や時間の提供」もエンツリーが掲げる大きな目標です。例えば「CacheCache」では、一般的な子育て支援施設に見られるようなカラフルな内装ではなく、白木のすべり台や積み木を取り入れるなど「シンプル&ナチュラルな雰囲気」を演出することを意識しています。そうすることで、ママはもちろんパパからも「入りやすい」とご好評いただいており、いつしか「パパの会」が結成されるほど発展しました。不定期ではありますが、パパたちが企画したイベントも開催しています。


市民活動センタープラッツのキッズコーナーで実施したミニイベントの様子

コロナ禍ではイベントの開催スタイルを工夫。「顔を合わせて実施できるとうれしい」の言葉が最大の励みに

―取組を始めるまで、もしくは始めてから、どんなハードルや苦労にぶつかりましたか。それらにぶつかった際、どのようにして乗り越えましたか。

吉田:「まつり」において最も苦労したのは、新型コロナウイルス感染症によって会場での開催に支障が生じたことです。企画委員会、実行委員会は勿論、「まつり」そのものもオンラインでの開催に切り替えて、各団体のイベントの動画撮影をサポートしたり、映像を通じて子供たちに喜んでもらえるような仕掛けを考えたりと、オンラインでも年代を超えた交流がしやすくなるように工夫しました。2021年度は団体のご意向に合わせてオンラインとリアルのハイブリッド開催とし、2022年度には3年ぶりに全面リアルでの開催が実現しました。ハイブリッド開催の際に「こうして顔を合わせて実施できるとうれしい」といったお声が多く挙がり、大変励みになりました。コロナ禍においてリアルで開催できたことは、本当に嬉しく思いました。


府中市民協働まつり・こどものひろばの様子

子供の笑顔はもちろん、様々な年代の方が交流を楽しむ光景に喜びを感じる

―実際に取組に参加した子供は、どのような様子でしたか。また、一緒に参加した皆様からどのような感想や意見が寄せられましたか。

吉田:「まつり」では、参加された小・中学生や一緒に遊んでくれた乳幼児たちがみなニコニコと楽しんでいた様子がとても印象に残っています。また、付き添いでいらしたママ・パパやイベントに協力してくださった市民活動団体の皆様、さらにはイベントの様子を通りすがりに見ている方々の間にも笑顔があふれており、終了後には「参加して本当に良かったです!」「いろいろな年代が触れ合える空間っていいですね」といったお声をたくさんいただきました。年齢の異なる人たちとの交流が楽しく有意義であることをしっかりと伝えられたのではないかと感じ、嬉しく思っています。

―取組を運営するスタッフの皆様も、やりがいを感じる瞬間が多々ありそうですね。

吉田:そうですね、各スタッフも、「まつり」を通じて0~70歳代・80歳代といった幅広い年代の交流を実現できることに大きなやりがいを感じてくれているようです。日々活動内容をブラッシュアップするために、市民活動団体や行政、企業等とのつながりをつくり、協働していくことを目指す「中間支援機関」として、様々な団体をサポートする中で、「こちらのブースではこんなことがあった」「こういった感想をいただけてうれしかった」といった内容をスタッフ間で共有しており、一人一人が取組に対して前向きに、責任感を持って臨んでくれていると感じています。

より多くの企業や団体を繋げ、新たな取組にチャレンジしていきたい

―現在実施されている取組をさらに改良、拡大していく等、今後の展望やビジョンをお伺いさせていただけますか。

吉田:2022年度の「こどものひろば」では4団体と一緒に実行委員会を組む形で企画を達成できたので、今後はもっと多くの企業・団体を繋げて新たな取組を計画していきたいです。
また、「親子つどいの広場堀之内 CacheCache」や「プラッツ」のキッズスペースにおいては、直接のママ・パパ支援をさらに充実させたいと考えています。

―現在実施中の取組のほかに、新たに実施を企画している取組等があれば教えていただけますか。

吉田:ママ向けの取組にはなりますが、「プラッツ」のオリジナル講座として「保育サポーター養成講座」の第4期プログラムを2023年1月より開催しています。このプログラムは、『子育てのスキルをキャリアに』をコンセプトに、ママたちの自己肯定感を高めることを一つの目的として立ち上げました。3~6歳くらいの子供を持つママが対象で、エンツリーが主催する託児付きの講座において託児を担当してもらうなど、社会に戻る第一歩となれるような講座を目指しています。

子供たちが年齢の異なる人たちとの交流を楽しめる環境づくりを、多彩な企業・団体とともに目指したい

―最後に、子供たちや、ほかの企業・団体のみなさまへのメッセージをお願いいたします。

吉田:子供たちには、「同年代のお友達だけでなく、いろいろな年代の方々と触れ合うことは成長する上でとても大切です。そのお手伝いができるように、エンツリーはこれからも子供と大人が自然に交流できる環境づくりを目指していきますので、ぜひ遊びに来てください」とお伝えしたいです。
企業・団体のみなさまには、『エンツリーは中間支援機関として、ぜひ様々な企業・団体と協働しながら多彩な取組を実施していきたいと考えております。「こういったことをやりたいのでサポートしてもらいたい」といった企画がございましたら、ぜひいつでもお声がけください』とお伝えしたいです。

―素敵なメッセージをいただき、ありがとうございました!

子供たちに年齢の異なる人たちとの交流の大切さを伝えるため、ママ・パパの子育てに寄り添う多彩な「交流の場」をプロデュースするNPO法人エンツリーの取組は、『人・街・学びをつなぐ中間支援機関』としての特性が十二分に発揮された意義のある活動です。

※記事の内容は掲載時点の情報に基づいております。

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